【ナヤモンプロジェクト】創造性と技術力で“Ateam Purpose”を体現!生成AI×Youtubeライブゲーム『ナヤモン』の誕生秘話!
2024年7月25日に、エイチームは生成AI×Youtubeライブゲーム『ナヤモン』をリリースしました。『ナヤモン』は、暮らしの「まよい」を解決する情報メディア『イーデス』のコンセプトである「悩み」をテーマにした「AI×YouTubeライブの新しい参加型ゲームコンテンツ」。YouTubeライブのチャット機能を利用して、参加者同士が交流しながらモンスターを生成・進化することができます。
『ナヤモン』は、エイチームの新規事業案コンテスト「A+(エイプラス)」で「YouTubeライブゲーム」という起案がグランプリを受賞したことを契機に開発がスタートしました。『ナヤモン』誕生の背景や開発における苦労話、ゲームの見どころなどについて、エイチームならではの創造性と技術力を発揮したエピソードを交えながら、プロジェクトメンバーにお話いただきます。
梶間 浩さん エイチームエンターテインメント ゲームプログラマー
西田 良平さん エイチームライフデザイン クリエイティブディレクション・プランニング
出口 綾夏さん エイチームライフデザイン リードデザイナー
『ナヤモン』をプレイして「悩み」をポジティブなものに
-『ナヤモン』は、どのようなゲームなのでしょうか。
西田:
『イーデス』のコンセプトの一つである「悩み」を解決することをテーマにした「生成AI×YouTubeライブ」ゲームコンテンツです。YouTubeライブのチャットに「悩み」を打ち込むと、その「悩み」をAIが吸収してリアルタイムでモンスターが進化していく仕掛けです。最終的にオリジナルのモンスターを完成させることができ、悩みの解決策も提供してもらえます。
-どんなふうに楽しんでもらいたいと考えていますか。
西田:
そもそも「ボーっとやっていただく」というカジュアルなものにしたいと考えていました。悩みでも愚痴でも何でもいいので、気軽に入力してもらってモンスターの進化を楽しんでもらいたいです。また、悩みはネガティブなものですけど、それを少しでもポジティブに感じてもらうことも目指しています。気持ちが落ち込んでいるときに、『ナヤモン』をプレイすることで少しでも明るい気持ちになってもらえたら嬉しいです。
出口:
「悩み」をネガティブにとらえるのではなく、ゲームを通じてクスっと笑えるものに感じていただけるといいですね。
梶間:
私もお二人と同意見です。モンスターが面白い姿に進化していくところや、モンスターの説明文や解決策など笑える要素がいくつもあるので、そこを楽しんでもらいたいです。
『ナヤモン』の企画が生まれるまで
-『ナヤモン』制作の背景と、皆さんがプロジェクトに参加することになった経緯を教えてください。
梶間:
エイチームの新規事業案コンテスト「A+(エイプラス)」で「YouTubeライブのチャット機能を使ったゲーム」という案がグランプリを獲得しました。その案が実現できるかどうかの調査やプロトタイプの制作を私が担当しました。最初は「みんなで遊べるゲームをつくる」という案件でスタートしましたが、実現へ向けて調査を進める中で、収益化ではなくプロモーションを目的にすることが案として浮上したんです。
エイチームグループのサービスの中で認知を上げたいものを考えた時に『イーデス』がその対象となり、ゲームの目的が「『イーデス』のプロモーション」に定まりました。それから『イーデス』について調べながら開発を進めていったのですが、わからない点が出てきたので『イーデス』を担当している人を紹介してほしいと会社に申し出たんです。その時に紹介されたのが、出口さんでした。
出口:
最初は「A+」でグランプリを獲った案件で「『イーデス』のキャラクター『イーデスくん』を使うらしいよ」と聞いて、ビジュアルの部分の監修に関わるくらいだろうと思っていたんですけど、その後「ゲームを一緒につくってほしい」と聞いてびっくりしました。
経験のない領域だったので「大変そうだな・・・」と思いましたが、ふと、エイチームが発信しているいくつかのメッセージが頭に浮かんだんです。採用コンセプト「仕事を楽しくするのは、自分だ。」や“Ateam Purpose”である「Creativity × Techで、世の中をもっと便利に、もっと楽しくすること」といったフレーズが浮かんできて、「大変そうだけど、新しいことに挑戦したら仕事も楽しくできるだろうな」と感じられて引き受けることにしました。
西田:
私は出口さんに声をかけられました。「一緒にやらない?」と。
梶間:
出口さんは、西田さんがエイチームに入社する前から「西田さんと一緒にやりたい」と言っていましたね。
出口:
エイチームライフデザインにはゲームを企画する人がいません。このプロジェクトを成功させるには、面白い企画ができる人が必要だと思っていました。前職から『引越し侍』の面白いCMなどを企画していた西田さんが適任だと思ったんです。
西田:
最初に声をかけてもらった時から「やってみたい」という気持ちがありました。ゲームの企画をした経験はなかったのですが、その分、新しいものがつくれそうな気がしました。
-『ナヤモン』のアイデアは、どのように生まれたのでしょうか。
西田:
たくさんの案を考えました。その中で一番意識したのは、『イーデス』のコンセプトである「悩み」を軸に置くこと。また、自分自身がわくわくできるものにしないといけないと考えた時に「何かが進化していく、姿がどんどん変わっていく」のはわくわくするなと思ったんです。
梶間:
西田さんから企画を聞かされた時、「これは生成AIじゃないと実現できないんじゃないか」と思いました。
出口:
私と西田さんも「AIを使ったものができたら面白そう」と考えていました。その当時、社内でAI学習にも取り組んでいましたし、「Tech」の要素が入ることで「“Ateam Purpose”の体現にもつながるよね」と話していました。
西田:
みんなの考えが結びついて、「生成AI×YouTubeライブ」を使った新しいゲームが企画としてまとまりました。
開発の苦労話とPurposeの体現について
-実際にアイデアを形にするにあたって、技術的にどんな苦労がありましたか?
梶間:
最初は生成AIのことを少し甘く見ていたかもしれません(笑)。なかなか思い通りにはいきませんでした。生成AIは、たくさんのものを生成させていき、その中で良いものを採るという使い方が主流だと思います。たくさん生成させていく中には変なものも出てきます。
今回の企画はリアルタイムでの生成。つまり、変なものも含めて全て公開されてしまいます。一つでも変なもの、不適切なものを生成させられない状況でした。たとえば、人気キャラクターが生成されてしまうと権利の関係で良くないわけです。
不適切なものを生成させないために画像生成AIだけではなく、入力したコメントをChatGPTで制御する等、ブロックするフィルターを何段階も設けました。対応が難しかったのは、誰もが知る人気ロボットキャラクター。とても生成されやすく、「ロボット」という言葉があればすぐに出てきてしまいます。そのキャラクターに対しては禁止ワードをリスト化するなどして対応しました。もう一つ、技術的に苦労したのはモデル探しです。生成AIのトーンがなかなか統一されず、西田さんと出口さんにも手伝ってもらいながら、150くらいのモデルを試してようやく納得するものを見つけることができました。
技術的に苦労した点はありましたが、いろいろと組み込んでいくたびに結果が変化していったので、モチベーションを保って開発を進めることができました。
西田:
梶間さんの技術力には圧倒されました。最初のナヤモンは、実際にリリースした今の形とは何から何まで違いました。最初の段階から梶間さんが検証を重ねてくれて、ある時、今のナヤモンに近い形のものを出してくれたんです。それを見た瞬間「梶間さん凄い!」と思いましたし、自分たちが目指すべき方向が明確になりました。
出口:
私も同じ印象を持ちました。開発を始めた頃は、打ち込まれた「悩み」を受けて背景の画が変化したり、アイコンの形が変わったりするようなアイデアだったんです。梶間さんが一つの個体が変化していくという今のナヤモンの原型を提示してくれた時は「これだ!」と思いました。
-企画やデザインで苦労した点はありますか?
出口:
ゲーム画面のデザインに苦労しました。私はもともと制作会社で広告のデザインをしていて、エイチームに入社してからもその経験を活かした仕事をしてきました。ゲームのデザインについては全く経験がなかったんです。ステータスや説明画面の枠など、ゲームならではのシズルを出すのが大変でした。
一般的に、ゲーム制作におけるグラフィッカーは「手で描いて」デザインを仕上げていくケースが多いかと思います。しかし私にはそのスキルがないので、素材を組み合わせてゲームの画面をつくり上げていきました。初めてゲームのデザインをするにあたって、世の中にあるゲームのデザインをたくさんストックして参考にしました。また、ストックを参考にする際は、お二人の意見を聞いて、みんなで共通認識を持って制作を進めることも意識しました。
西田:
「A+」でグランプリを獲った案件であり、その意味では社内の一大プロジェクトとも言えます。プレッシャーはありました。世の中に出したときにインパクトのあるもの、クオリティの高いものにしないといけないと思って、懸命に企画を考えました。
具体的な業務で苦労したところと言えば、モンスターの説明や悩みの解決策の文章に「クセをつける」こと。ここで言う「クセ」とは「なんか腹が立つけど笑える、面白い」といったものですが、そのような文章になるようにAIに指示を出しても、なかなか思い通りに進まなくて苦労しました。
―今回の開発において、“Ateam Purpose”である「Creativity × Techで、世の中をもっと便利に、もっと楽しくすること」をどのように体現したとお考えですか。
西田:
私や出口さんの企画・デザインは「Creativity」、梶間さんの技術は「Tech」にあたると思います。そこを掛け合わせて『ナヤモン』が生まれました。また、私と出口さんはエイチームライフデザイン、梶間さんはエイチームエンターテインメントに在籍しています。会社を越えて「Creativity×Tech」が実現できたことも意義あることだと思います。
梶間:
開発当初はそこまで“Ateam Purpose”を意識していませんでしたが、YouTubeライブゲームと生成AIという新しい技術を組み合わせたことによって、結果的に“Ateam Purpose”を体現することにつながったと思います。
出口:
「Tech」についてはIT企業ならではの取り組みを実施できたと思います。また、YouTubeライブゲームというあまり事例がないコンテンツで、新しい「Creativity」に挑戦できたことはAteam Purposeの体現になったと思います。また「世の中をもっと便利に、楽しくすること」については、「もっと楽しくすること」へ向けての挑戦ができたのではないかと思っています。
『ナヤモン』のここに注目してほしい
-リリースの瞬間の感想をお聞かせください。
梶間:
3人でzoomをつないで、一緒にリリースの瞬間を迎えました。リリースされたばかりだったこともあり、なかなかコメントされないな・・・と思いながら見ていました。どちらかというと、ネガティブな気持ちだったかもしれません(笑)。
出口:
私は嬉しかったですよ。ようやく世に出せた!という達成感がありました。周りの友人からも「凄いね」といった反応がありました。一方で「一回見て終わりじゃなくて継続して利用されるためには、もっと楽しめるコンテンツがあったほうがいいよね」とアドバイスも貰いました。これからブラッシュアップしていく必要があると感じました。
西田:
なんとか世に出すことができて良かったと思いました。今は、「頼むから見つかってくれ」「誰か見つけてくれ」という気持ちです。多くの方に楽しんでもらいたいですし、出口さんが言ったように継続して何回もプレイしてもらいたい。そのためには、私も改善が必要だと思っています。
-『ナヤモン』のおすすめポイントは?
出口:
二度と同じモンスターが出てこないところ。出来上がったモンスターをじっくり楽しんでほしいです。今後は、24時間やっているというYouTubeライブの特徴を活かして、多くの人が集まってリアルタイムにコミュニケーションを取れるような仕組みも導入したいと考えています。
梶間:
私も出口さんと同じです。あとはクスっと笑えるコンテンツを目指しているので、その点も楽しんでいただけたらと思います。
西田:
クスっと笑えるところは、ぜひ楽しんでいただきたい。生成されるモンスターの説明文など「なんじゃそりゃ?」っていうツッこみどころはたくさんあります。他にはAIの技術をたくさん使っている点ですね。
梶間:
生成AIをリアルタイムに使って、キャラクターを進化させていくような見せ方は珍しいと思います。画像一枚を生成させるものは多くありますが、リアルタイムに進化していき、それが動くという生成のさせ方は『ナヤモン』ならではの特徴だと思います。
-今後、『ナヤモン』をどのように成長させたいですか?
西田:
まずは遊んでもらうことを考えないといけないと思っています。楽しいと思えるものじゃないと継続的に利用してもらえません。もともと「ボーっとしながら遊べるもの」を目指しているので、もう少しその点も磨きをかけていきたいです。さらに、ちょっと驚くようなサプライズ的な要素も加えていきたい。『ナヤモン』で楽しむ人がどんどん増えて、『イーデス』の認知度を上げていきたいです。
梶間:
リリースして間もないですが、いろいろと課題も見えてきました。今は技術的なところよりも、滞在してもらうための改善が優先事項です。今はチャットを入力しないと楽しめないようになっていますが、見ているだけで楽しめるようにすることも検討したいと考えています。まだまだ構想段階ですが「完成したナヤモンがバトルすると楽しそうだね」と話したり等、先々へ向けていろいろと話が出ています。
出口:
そうですね。私たちの間でいろいろと話は出ています。これはあくまでも個人的な想いですが、『ナヤモン』をアプリ化して、自分で育てたり、それを図鑑にしたり、みんなにシェアしたりできたらより面白いコンテンツになると思います。
-最後に、皆さんの目標を教えてください。
西田:
私の得意領域は企画とアイデア。それを発揮して、エイチームをもっと知ってもらいたい、もっと好きになってもらいたいと考えています。今回の『ナヤモン』もその一環だと思っています。
梶間:
『ナヤモン』をたくさんの人にプレイしてもらいたいです。また、今後も生成AIを活用したゲームを制作していきたいと思っています。
出口:
「なんか面白い会社だな」「良いサービスだな」「この考え方好きだな」と感じていただけるようなものをつくりたいです。会社やサービスを好きになってもらうきっかけをつくり、それが結果として会社の資産になるような取り組みをしていきたいです。