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「日本証券アナリスト協会」主催 個人投資家向けIR説明会(2024年9月19日開催)動画&説明会・QA書き起こし記事公開

エイチームは、2024年9月19日(木)に「日本証券アナリスト協会」主催の「個人投資家向けIR説明会」に参加しました。当日の動画及び説明会・質疑応答(QA)の書き起こし記事を公開しましたので、お知らせいたします。

この機会に株主やステークホルダーの皆様をはじめ、投資家の皆様に広くご視聴いただき、当社へのご理解を深めていただきたいと存じます。




日本証券アナリスト協会 IRセミナー 会社説明会


本日はお忙しい中、エイチーム IRセミナーにご参加いただきまして誠にありがとうございます。株式会社エイチームの林高生と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

今日は、こちらの5つのアジェンダについてお話をさせていただきます。資料はかなり多いので、ポイントを押さえて、進めさせていただきます。

1.会社概要

現在、私たちエイチームは東証プライム市場に上場しており、本社は愛知県名古屋市にあります。子会社が9社あり、社員数は約800名、単元株式数は100株ということです。証券コードは3662です。

こちらが私のプロフィールですが、1971年に岐阜県の土岐市というところに生まれました。父が陶芸家だったため、幼少期から陶器の土に囲まれた環境で育ち、工作やものを作ることが大好きでした。小学校5年生の時にコンピュータに触れ、それからずっとプログラミングを趣味として続けてきました。

中学校を卒業後は、高校に進学はせず、さまざまなアルバイトをしたり、学習塾の経営もしました。そして25歳のとき、1997年、つまり今から27年前に、個人事業として企業様向けのシステム開発を請け負うところからスタートしました。その後、有限会社エイチームとして法人化しました。

続いて、会社の大きな流れについてです。1997年に創業し、先ほどお話しした通り、最初のころは企業様向けの在庫管理システムや請求書発行システムなどのシステム開発を行っていました。2000年からは、ガラケー(フィーチャーフォン)向けのサービスを始めました。ちょうどNTTドコモのi-modeが始まった時代です。

サービスとしては、例えば着メロの配信サイトなどを手掛けました。そして私自身、もの作りが好きだったということもあり、2003年には携帯電話向けのゲームコンテンツの開発・配信を始めたのが大きな転換期となりました。こうした携帯電話向けコンテンツの拡充に伴い、会社は急成長しております。
 
その後、2003年には自社のゲームをリリースしておりますが、その3年後にはインターネットが普及し出します。もっとインターネットを使ったサービスをつくってみようということで、2006年に引越し料金の比較サイトである「引越し侍」をリリースしています。 

それから、中古車の買い取り比較サイト、結婚式場の比較サイトなどの領域に進出しております。その後、デバイスの変化もあり、ガラケー(フィーチャーフォン)からiPhoneなどのスマートフォンに市場が移り変わっていくに従い、私たちもスマートフォン向けアプリゲームなどに進出しています。そして、2012年には東証マザーズ市場に上場を果たし、東証一部に市場変更、そして現在に至っております。
 
このように、私たちエイチームは、パソコンを使ったシステムの受託開発からはじまり、ガラケー(フィーチャーフォン)向けのコンテンツの開発・配信、そしてスマートフォン向けのゲーム、様々な領域の比較サイトなどを展開してきました。市場環境の変化がある中で、私が趣味であり得意とするプログラミングという技術を活かして、その時代に対応した様々なサービスを提供してきました。

この「Creativity × Techで、世の中をもっと便利に、もっと楽しくすること」というのがエイチームのパーパスです。存在意義ということです。この創造性と技術力によって、世の中をもっと便利に、もっと楽しくするということをミッションに掲げております。

こちらは沿革と売上高の推移です。売上や利益の推移については、2017年、2018年をピークに、それ以降は減少しています。主な要因はゲームの売上高の低下によるものです。

ピーク時の売上は376億円、営業利益は47億円でしたが、ゲーム売上の下落に伴い、全体の売上・利益も減少しています。その他には、新電力事業にも取り組んでいますが、ウクライナなどの戦争の影響などで新電力市場が撤退する動きもあり、そこでの利益が低下したことも影響しています。

2.ビジネス

続いては、私たちのビジネスについてご紹介します。

■メディア・ソリューション事業について
私たちのビジネスを大きく4つにまとめると、ゲーム開発などのエンターテイメント事業、インターネット上で企業を探すユーザーさまと集客をしたい企業さまをマッチングするメディア事業(送客・集客)、ソリューション事業(法人支援)、そして複数商材を取り扱うD2C事業(ネット販売)になります。メディア・ソリューション事業については、具体的にはこの図の通りのサービスを展開しています。

これらのサービスについて具体的にご紹介します。メディア事業では、インターネット上での複数社の引越し会社から見積もりが取れる「引越し侍」というサービスがあります。住所や荷物の情報を入力すると、提携している引越し会社から見積もりを受けることができます。引越し会社にとっては見込み客を紹介してもらえるという利便性があります。

「引越し侍」による私たちの売上は、引越し会社1社に対して見込み客の情報の送客1件につき数百円をいただいております。1人の利用者が10社から見
積もりを受けると、おおよそ数千円が売上になります。

引越し比較・予約サイト「引越し侍」:https://hikkoshizamurai.jp/
中古車買取・査定サイト「ナビクル」:https://www.navikuru.jp/

続いて、このビジネスの仕組みを自動車の売却などにも応用しています。中古車買取・査定サイト「ナビクル」というサービスです。車種や年式、走行距離などの情報を入力すれば、買取会社から見積もりを受けることができ、「引越し侍」と同様に送客手数料による売上が発生します。また、結婚式場の検索サイト「ハナユメ」なども運営しております。

結婚式場情報サイト「ハナユメ」:https://hana-yume.net/

さらに、エンジニアの情報投稿サイトでありコミュニティである「Qiita(キータ)」という異なるタイプのサービスも提供しています。このサービスでは、エンジニアたちが自分の技術や知見を投稿するWEBサービスとなっています。日本国内最大規模のサービスであり、ほとんどの日本の技術者が利用しており、開発で困ったときに「Qiita」で解決策を見つけることができます。このサービスによる収益は広告やイベント開催などから得ています。

エンジニアコミュニティ「Qiita」:https://qiita.com/

こちらのスライドは、これらのビジネスモデルを図でご説明しているものです。ユーザーさまが私たちのサービスを利用して見積もりを依頼することにより、提携会社さまに見込み客を送客し、紹介手数料をいただくという流れです。

特に、「メディア・ソリューション事業」における私たちの強みは、引越し、中古車査定など、各市場でのシェアトップであることです。例えば、「引越し侍」では引越しを検討している方の約4分の1が利用しています。おかげさまで多くの法人の企業とも提携しており、引越し会社は約230社、結婚式場は600会場と提携しています。メディア事業全体では約1,400社に及ぶ提携社数に至っております。集客力とWEBプロモーションのノウハウが定着しており、これらを活かすことで市場をリードしています。

■D2C事業について
私たちの事業の2つ目の柱として「D2C事業」というものがあります。こちらは、化粧品ブランド「lujo(ルジョ―)」やドッグフードブランド「OBREMO(オブレモ)」などの品質にこだわった商品を、デジタルマーケティングによって直接集客したお客様に対して販売しています。定期購入型のビジネスモデルのため、継続顧客の積み上げによる収益が見込めます。化粧品は黒字化しており、ドッグフードは投資の段階ではありますが、着実に成長している状況です。

■エンターテインメント事業について
続いては、エンターテイメント事業についてです。様々なゲームを展開しており、ゲーム内において、例えば強い武器を欲しい、キャラクターの装備が欲しい、こうした課金を通じて収益を上げています。

エンターテインメント事業は、グローバル展開や高い技術力が強みと言えます。例えば、スクウェア・エニックス様と共同開発した「FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER*」は、スマートフォン上で数万人規模がリアルタイムで同時対戦できます。その他にも、技術力を駆使したゲームが多数あります。私たちのゲームは、グローバルで230以上の国と地域で配信されており、自社でのグローバル展開が強みとなっています。
※「FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER」は、2023年1月にサービス終了しております。

3.成長戦略

改めまして、今後の成長戦略についてお話しします。

私たちの強みは、この4点です。左上の「デジタルマーケティング」は、デジタルでの集客力です。そして「スピーディーなビジネス展開力」。これまで私たちは様々なビジネスを展開してきましたが、その展開数とスピードが私たちの強みとなっています。

そして、これまで培った「技術力」。最後の4つ目として、どのようにサービスを展開すると良いのかを企画する能力として「企画力」も私たちの強みだと思っています。

これらの強みを活かし、これまで自社のサービスの成長で築いてきたノウハウや強みを、市場の様々な法人企業への売上向上や集客支援を行うために活かそうと考えています。つまり、法人向けに総合的な支援ができるようなビジネスへと展開していきたいと思っています。これを「売上向上支援カンパニー」と表現しています。

具体的にはこちらの図の通りです。左側が集客支援領域です。今まで私たちは、「引越し侍」や「ナビクル」等のメディアを通じて集客して、提携会社に送客してきました。これからは、自社のメディアによる送客だけでなく、クライアント企業に対して集客のノウハウを提供する立ち位置になっていきたいと考えています。
 
右側は業務効率化支援領域です。私たちがインターネットを中心とした技術企業なので、これまでの経験や知見を通じてどのようなツールやセキュリティシステムが良いかというソフトウェアの選定のノウハウがあります。例えば、IT企業ではない中古車の買取会社様なども、どういったツールを使用すれば良いのかということに非常に悩んでおられます。私たちは、数ある選択肢から適切なソフトウェアを選定するお手伝いをすることで、快適に業務効率化を実現できるような支援をしていきたいと考えております。
 
最下部の売上向上支援全般とあるのは、クライアント企業のデジタル広告運用の代行や支援、コンサルティング、ホームページの制作支援など、ソフトウェアの選定支援など、クライアント企業の売上が向上するような総合支援をしていく方針です。
 
 「引越し侍」「ナビクル」などは、法人と法人と消費者をつなぐ「BtoBtoCモデル」といわれるものでありますが、今後は法人向け支援に軸足をおいた「BtoBモデル」に転換していくというのが大きな流れとなっております。

そして、どのような技術を活用して実現するかについてです。こちらのスライドがAI活用による集客効率の支援の事例です。

市場規模については、取引がある「中古車自動車」「引越し」「結婚式」など、約3,500億円の広告市場です。この市場のシェアを大きくとっていきたいと考えております。

続いては、今後のM&A戦略についてです。M&Aについては、今後の成長戦略の大きな柱と考えています。集客支援や業務効率化支援など、様々な業務支援を行う中で、私たちのメディアだけでなく、他社が提供しているインターネットサービスをM&Aすることで、私たちの送客力をさらに高めることができると考えています。業務支援ツールやホームページ制作ツールなどがありますが、このような会社をM&Aすることで効率的に成長することが可能であると考えております。

実際に、この半年以内に2つの企業をグループ化しております。

「microCMS」という会社は、簡単にホームページを作成できるサービスを展開しています。「Paddle」は、スマートフォン上でのアプリを提供しており、歩くことで暗号資産に交換可能なポイントが貯まるサービスを展開しています。アプリ内の広告動画を視聴することで、ユーザーはこのポイントが貯めることができる仕組みになっています。

今後に期待する展望として、例えば引越し会社や中古車買取会社の動画広告など見ることで、私たちの集客力を向上させていくことができると考えています。

これまで、私たちはM&Aを数件やってきております。先ほどご説明したエンジニアの技術投稿サービス「Qiita」もM&Aによりジョインしていただいております。その他にも、転職サイト・転職エージェントの比較サイトの「CAREER PICKS」についても、人材事業としてジョインいただいており、事業統合後には売上8倍、営業利益4倍にまで成長させることができています。

このようにM&Aによって、私たちの集客ノウハウや業務効率化ノウハウを注入することができ、ジョインいただいた会社をより成長させることができると考えております。

続いては、M&Aの推進体制についてです。今年の6月に発表しておりますが、プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)であるアドバンテッジパートナーズの子会社であり、上場企業の成長支援を行うアドバンテッジアドバイザーズ社(以下、AA社)と事業提携及びAA社の親会社の出資するファンドに対する第三者割当を行っており、現在、約25億円の転換社債(CB)を発行しています。
 
AA社との取り組みはこちらの4点です。まずは経営の視点から徹底的な経営管理を実施していくこと。そして、事業ポートフォリオ管理として、事業の選別を行い、やめるべき事業と力を入れていくべき事業を一緒に見極めていくこと。さらにはM&AやPMIを共に遂行していくことがあります。そして既存の事業についても適切に伸ばしていきます。

こうした様々な取り組みを、AA社から4名に来ていただき、共に進めております。また、AA社の親会社が出資するファンドが私たちの潜在株式を保有しているため、当然ながら株価の上昇が求められます。メリットを感じていただけるよう、真剣に株価が上昇するような取り組みを一緒に行っている体制を作っております。

4.中期経営計画

こちらのスライドが、私たちが目指す中期計画の数字についてのお話です。私たちは2000年2月と、うるう年に創業しております。そのため、中期経営計画の期間を具体的には4年とさせていただいています。

売上高は、FY2024において239億円ですが、FY2028においては目標として340億円、EBITDAで40億円、営業利益を20億円としています。総還元性向に関しては平均で100%としております。安定的な利益を創出して配当を実施ながらも、さらには自社株買いについても検討しております。

売上の伸び率についてですが、M&Aでジョインする会社による売上高貢献も含めて、約102億円の売上高成長を狙います。M&Aは約100億円の投資を検討しております。

これまで、当社は無借金で経営を続けてきましたし、ファンドなどからもこれまで一度も資金を調達していません。そのため、自社の現金だけでも約70億円、有価証券も含めると約90億円を保有しています。それに加えて、AA社からの約25億円の資金調達や、銀行からの約30億円の借り入れを発表させていただいており、そのようなキャッシュフローで合計約100億円を投資できる状況にあります。私たちはこの計画を進めており、その100億円の中から既に2社のM&Aが決定しています。このように、M&Aによる売上成長は約69億円を見込んでおり、既存事業の成長で20億円ほどを見込んでおります。このように今後に向けてM&Aで投資しながら、中期経営計画の達成を目指していきます。

5.業績予想・配当予想及び株主還元

配当に関しては、こちらの資料にあります通り、従来は16円だったものを、FY2024は増配及び特別配当で22円、FY2025からは22円と予想しております。

今後生み出す利益については、配当金と自社株買いを含め、基本的には4年間で総還元性向平均100%以上を還元していこうと考えております。

長くなりましたが、私からの説明は以上になります。ありがとうございました。

質疑応答

質問①:AA社との事業提携及び資金調達について、エイチームの現在の時価総額を鑑みても大きい金額だと感じます。メリットは理解できるものの、希薄化などのデメリットもあるかと思います。デメリットへの対処法を教えてください。

回答①:ご認識の通り、多くの割合の潜在株式を保有していることになりますが、約5年にわたり、徐々に株式に転換していく想定として合意しております。AA社に関しても、やはり希薄化による影響は懸念しておりますので、そこは慎重にやっていくと聞いております。

 質問②:プライム市場への適合に関して流通時価総額が課題だと認識しています。AA社を含めた国内・海外機関投資家とどのような意見交換を図っているのかについて教えてください。

 回答②:株式市場の皆様からは、AA社との事業提携について、非常に前向きに受け止められていただいていると認識しております。提携による様々な支援を通じて、より高度な経営管理を実施し、着実に成長戦略を遂行していくと感じてもらえていると思います。AA社は株式市場にとっても非常に有名な存在であり、安心していただいているようです。

また、プライム適合への課題として、ご認識の通り流通時価総額が100億円以上という基準に満たしておりません。現在の当社の株価について、本日(2024年9月19日)において600円前半ですが、目安として800円後半は必要と考えております。株価向上を狙う動きをしてまいります。

 質問③:エンタメが足を引っ張っているように感じます。国内外のゲーム市場全体が厳しいようですが、エンタメの今後の進退は?また、続ける場合、どのように伸ばしていきますか。

 回答③:現在、エンターテイメント事業は、100%ではありませんが他社との協業案件での受託開発に舵を切っております。キャラクターなどの有名IPを持つ企業から開発費をいただきながら制作します。そしてリリースしたら、そこからの売上の何割かをいただくというものです。今後、数年かけて開発し、発表していく予定です。

現在のプロジェクト数でいうと、4つぐらい動いています。その3つが他社との協業案件です。これによって、安定的に収益を伸ばしていくこと、そして赤字を出さないという運営方針です。安定的に収益をあげていくということで、中期経営計画においては見込んでおりません。

 質問④:「Qiita」についてとても期待していましたが、収益の向上は難しい印象です。知名度も高く良いサービスだと思いますが、エイチームが「Qiita」を運営する意味は何でしょうか。また、今後はどのように扱うのですか?

 回答④:「Qiita」を2017年のM&A後、一時的には黒字化しておりますが、成長のための新規投資により赤字に転じています。今後は徐々に伸びていく想定ですが、ご認識の通り急成長は見込めない想定です。一方で、エンジニア業界においての知名度が高いため、技術者の採用においては非常に有用です。

今後の「Qiita」の事業の展開については、エンジニア採用における送客支援を狙っています。現在、どの企業でもエンジニア不足が深刻な課題であり、多くの企業がエンジニア採用に困っています。採用費用も高額です。そこで過去に、新規投資として転職サービスとして「Qiita」独自で事業を立ち上げましたが、うまくいきませんでした。現在は、転職サービスではなく、企業に転職希望者を紹介する送客領域に切り替えており、足元の収益は好調に推移しております。

質問⑤:M&A戦略について、デジタル領域の成長企業をターゲットにおいているかと思います。昨今、IT企業の買収額が高騰している印象ですが、いかがでしょうか。

回答⑤:私がいま聞いている情報では、高い時代はもう終わっているという認識です。「Qiita」をM&Aした2017年頃は、ベンチャー投資が盛んでしたし、ベンチャー企業の株式上場が非常にブームの頃だったかと思います。そのため、赤字でありながらも高い値段が付いた企業もあったかと思います。

最近は、株式市場の上場基準が厳しくなり、VC(ベンチャー・キャピタル)の活動もだいぶ落ち着いているように感じます。私の所感ではありますが、一時に比べて現在は、ある程度の適正価格で買えるようになったのではと思います。

質問⑥:かつて、比較サイトをつくるのが上手な印象でした。しかし、最近はヒットしているメディアが少なく、M&Aに頼らざるを得ないように感じます。実際の課題感について教えてください。

回答⑥:以前と比べて、我々のサービスを模倣する企業も増えてきましたし、比較メディアへの参入が増えたことにより、新しく進出できる領域は少なくなっているのを実感しています。そう考えると、M&Aは有用な手段なのではと考えているところもあります。

これまで新規事業をたくさん展開してきましたが、事業の立ち上げ後は累積赤字が数億円程度に膨らみ、投資回収には時間がかかります。また新規事業は数年で黒字化することもありますし、なかなか成功に至らないケースもあります。そのため、買ったほうが良いという判断が出てきます。これが、我々の今の方針です。

また、その他にもサービス内の課題は様々あります。今後の展開として、他社との競争関係を鑑みつつ、事業やビジネスモデルを変化させていく方向で考えています。特に、「引越し侍」や「ナビクル」のようなサービスにおいて、クライアント企業にさらなる価値を提供できるような変更を検討しております。

質問⑦:自己資本比率が高いが、今後も維持していける想定ですか。また、予想EPS(一株当たり利益)についてはどう考えていますか。

 回答⑦:自己資本比率については、ご心配に及ばなくても大丈夫かと思います。また、予想EPSについては開示しておりませんが、現在の当社の時価総額が120億円程度(2024年9月19日時点)に対し、将来的には時価総額300億円、500億円…というのを段階的に目指しております。機関投資家の皆様との対話の中でも、中期経営計画で示した目標を達成できれば、見えてくる水準とお話ししておりました。

 質問⑧:社長が60歳になったとき、エイチームはどのような会社になっていますか。

回答⑧:一番の課題に感じているのは、次の世代の育成について気にしています。会社というのは、社長のみに情報が集まり、経験が増え、社長だけが伸びてしまう。そうならないように、チーム総力戦で経営力を高めていきたいと考えています。持続的な企業の成長に向けて時価総額を大きくしていくという方向性に最中力していくことには変わりませんが、次世代を担う社員の総合力を高めていきたいと思います。

 質問⑨:採用が上手な企業というイメージです。人手不足のなかしっかり採用を強化し、事業を伸ばしてきた印象。しかし、近年は採用に苦戦していると感じます。うまくいっていた時期・そうでない時期の違いは何でしょうか。

 回答⑨:一番大きな影響はコロナ禍をきっかけとしたリモートワークの普及です。名古屋にいても東京の会社で働けるようになり、給与も東京水準となったことから、当社の競争力が落ちているのではと考えています。

もう1つはベンチャー企業の採用強化による影響です。「人間」対「人間」の密な関係性による採用を強化されており、例えばSNSでのダイレクトな採用を実践されています。一方で当社はこれまで通りの採用活動から脱却ができなかったことによるものと考えています。そうした新しい採用にはシフトできなかったことが我々の反省だと思っております。

その反省点も踏まえ、現在において取り組んでいることとして、より「個」を意識した活動を強化しています。「アウトプットプロジェクト」と呼んでおりますが、社員が「個」としての発信をSNSやnoteを活用して、技術に関するノウハウや知見、仕事の考えや価値観などについてアウトプットしていきます。このようにして、スター社員をつくり、スター社員から実際にダイレクトに声をかけるというような活動を始めています。


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