まさに「学び」の体現者!「Qiita」のデザイナーが語る“自然と学び続けられる理由”
エイチームという社名とロゴには「どんな問題もチームワークで解決し、困難を乗り越えていくスペシャリスト集団にしたい」という想いが込められています。高い技術力を有する「磨き上げられた個人技の集大成」=「プロフェッショナル集団」として、「学び続ける」姿勢を大切にしています。この考えは、エイチームが大切にする共通の価値観である “Ateam People”にも定められています。今回は、この「学び続ける」を体現しているQiitaのデザイナーにお話を聞きました。
Qiita株式会社 プロダクト開発グループ デザインチーム デザイナー H.Dさん
法政大学 デザイン工学部 システムデザイン学科卒。大学では主にプロダクトデザインを学ぶ。2019年にIncrements(現Qiita)で内定者アルバイトとして従事。翌2020年4月に新卒で入社する。現在はQiitaが展開するサービス全般のデザインに携わるなど、広範囲の領域で活躍している。
デザインの先にあるものを求めてエイチームへ
大学時代ではWebサービスの開発に熱中
大学では主にプロダクトデザインをテーマに、デザインやプログラミングといったモノをつくるところから、マーケティングなどのモノを売るところまでを一貫して学びました。授業はおもしろかったのですが、それ以上にアプリやWebサービスを開発することに熱中していました。
Webサービスのデザインや開発は、プロダクトのデザインと比べて比較的早いサイクルで改善が進められる。トライ&エラーも繰り返し行える。そんな点に惹かれました。
両立できた要因は、仲間からの刺激と親孝行
学業とアプリやWebサービスの開発を両立できた理由の一つが、刺激的な環境に身を置けたこと。一人で開発することもありましたが、グループで取り組んだりサークルでコンペティションに参加する機会もありました。バイタリティ溢れる人が多くて、そんな仲間たちから刺激を受けながら進められる環境だったんです。
もう一つ、理由があります。それは、親孝行です。大学には一浪して入学しました。一年間頑張らせてもらえた分、両親に恩返しをしたいと思っていたんです。自分が大学で頑張ることが親孝行につながると考えていました。
エイチームならデザインの先のことも考えられる
大学での学びや活動を通して、デザインとプログラミングに関しては周りの学生よりも高いレベルにいるという気持ちはありました(今、振り返ると大したレベルではないですけど・・・笑)。そう自覚していたので、デザインやプログラミングの先にある「モノを売ること」や「経営について考えること」が自分自身の課題だと思っていました。
就職活動を進める中で、エイチームの先輩社員の方々が「全社で売上について考える」と話しているのを聞き、エイチームに魅力を感じたんです。モノをつくるだけではなく、それをどのように市場や社会に届けるのか、どのように収益を得るのか。そんなことを話し合える環境があると感じてエイチームを志望しました。
内定者アルバイトとしてデザインを担当
内定をいただいてから、Increments(現Qiita)にアルバイトで勤務しました。主な担当業務はバナーの制作。当時は社内に正社員のデザイナーがいなくて、相談できる社員の方も少なかったんですけど、特に困るようなことはありませんでした。
他の会社でアルバイトをした時に、デザインの組織や業務内容をゼロから立ち上げる経験をしたんです。その経験が活かされたんだと思います。
Qiitaのデザイナーとしての役割
入社一年目で直面した課題
入社後は「Qiita Jobs」のデザインを担当。次第にUIのデザインやフロントエンドの開発領域にも携わるようになりました。
新人時代の仕事で最も印象に残っているのが、リマインド機能の開発案件。当時、「Qiita Jobs」における企業から採用候補者へのスカウト機能で、候補者の承諾率に課題がありました。承諾率を上げるためにリマインドの機能を追加しようという話になりプロジェクトが立ち上がったんです。
私はUIのデザインに携わりましたが、採用候補者側と企業側、つまり、仕事を探している人と人材を募集している企業のどちらにも最適なUIを設計することに苦労しました。一方を優先させると、どうしても片方が使いづらくなる。どこに妥協点を見出すべきか…なかなか答えが見つかりませんでした。
先輩デザイナーに壁打ちしながら課題を解決
進めていくうちにある程度は正解が見えるようになっていきましたが、実現するスキルが当時の自分にはありませんでした。自分の考えをチームのメンバーに伝えて、みんなを納得させて推し進める力量がなかったですし、経験や実績もないので信頼されづらいとも感じていました。
とはいえ、何もしないわけにもいかないので、先輩の力を借りたんです。「僕はこう思うんだけどどうですか?」と先輩に壁打ちしながら、開発を進めていきました。
Qiitaを「当たり前レベル」に引き上げたい
入社三年目の現在は、「Qiita」「Qiita Team」「Qiita Jobs」といったQiitaが展開するサービス全般のUIデザインやフロントエンドの開発、企業としてのQiita全体のデザインなどを担当しています。
自分の役割は、Qiitaのデザインを「当たり前レベル」に引き上げて、そこからさらに良くしていくことだと考えています。多くの人々が日常的に、当たり前のように使用しているアプリのデザインと同等のクオリティを指します。
日々触れるものとして違和感がないレベル、世の中の多くの人々から当たり前のように使ってもらえるレベルに引き上げたい。今のQiitaは、まだまだレベルを上げられると思っています。
妥協しないために提示する「素晴らしい世界」
レベルを引き上げるためにも、できるだけ妥協しないようにしています。もちろん、時間や工数などの問題で妥協せざるを得ない状況もあります。
それでも、できるだけ妥協せずに進めることを目的に、私が実施しているのはメンバーたちにゴールを見せること。最終的なゴールを「ほら、素晴らしい世界でしょ」と提示することです。そのうえで「素晴らしい世界」へ行くことを目的とした議論を重ねていきます。
例えば工数の問題があっても、目指す「世界」へ到達するためには「それは絶対に必要なことなのか」、あるいは「絶対に必要ではないけどあったら嬉しい魅力的品質の問題なのか」など一つひとつ丁寧に協議をしながら、できるだけ妥協しない方向へ持っていく。そのような進め方をしています。
積極的なアウトプットでグループの活動を支援
自己研鑽を目的に、定期的にハッカソンへ参加しています。年に一回は参加するようにしていて、この活動は大学生の頃から続けています。また、最近はアウトプットにも力を入れるようになりました。
毎週、「Qiita」に記事を一本投稿するようにしています。社内のあるグループが記事の投稿を意識的に行うようになったんです。でも、定期的に記事をアップしていくことは簡単ではありません。そのグループだけが単独で活動していくのは大変だろうと感じました。自分も積極的に投稿していくことでグループの活動を後押しようという考えが、投稿を始めるきっかけになりました。
なぜ、当たり前のように学ぶことができるのか?
何もできないから学び続ける
学ぶことは、自分にとって自然なことです。「学ぶ」とは何かと問われたら「学ぶこと」と答えるしかない…くらい当たり前のように学び続けています。
学べば学ぶほど、新たに学ぶべきことが出てきて、またそれについて学んでいく。それを繰り返しています。ある時「なぜ、自分は当たり前のように学び続けるのだろう?」と考えたことがあります。
特に知的好奇心が旺盛なわけではありません。学ぶことで影響力のある存在になりたいわけでもない。考えた末に至った結論が「自分にできないことが多いから」というもの。自分は何もできないと自覚しているから、学び続けているんだと思います。
「やる」と決めたことへの努力は惜しまないスタンス
昔から、自分の努力が成果に結びつくことに喜びを感じるタイプでした。あれこれ指示や命令されるのは好きじゃない。自分でやると決めたことを、自分でやる。そうした姿勢を貫いてきました。
この姿勢は、自分の学びのスタンスにも通じる話だと思います。他者に学べと指示されているわけでもないですし、他者に影響を与える存在になりたいというモチベーションで学んでいるわけでもありません。
また、日々感じているエイチームの働きやすさにも関係していると思います。エイチームには、一人ひとりが主体者として仕事ができる環境があります。いちいち指示を受けることなく仕事が進められる点は、自分の考えに合っていると感じています。
スペシャリストとしての今後、実現したい未来
仕事における「プロフェッショナル」とは学び合い、高め続けるひと
自分はまだ何のスペシャリストでもないと思っています。だからこそ学び続けています。実際に、この領域なら誰にも負けないと思えるものはありません。強いて言うなら、自分をスペシャリストと思っていないことについては誰にも負けないかもしれません(笑)。
私の考えるスペシャリストとは、多くの人に慕われたり、尊敬されたり、ベンチマークされたりする人。自分がスペシャリストになりたいかどうかという問題はありますが、スペシャリストになるためには、もっと発信の機会を増やしたり、他者から見て尊敬されるような要素を身につけたりしなくてはいけないと思います。
これから10年先の目標
Qiitaが展開するサービスを多くの人から親しまれるものに、一目置かれる存在に育てていきたいです。そのために一つひとつの仕事を丁寧に行い、その一つひとつの仕事において誰もが納得できるような最善のデザインをつくりたいと思います。そうやってサービスを育てていって、いつかは「Qiitaのデザイナーさんですよね」と声をかけられるまでになるといいですね。自分から名乗り出るのではなく、声をかけてもらえるまでサービスを大きく成長させたいです。