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未来を創る力を身に付けよう!エイチームのプログラミング研修の意味・意義とは。多様な価値観を受け入れる会社へ

エイチームでは、2009年より「新卒プログラミング研修」を実施しています。2017年からはキラメックス社の「テックアカデミー IT研修」を導入。非エンジニア職を含め、その年の新卒入社社員全員がプログラミングを学びます。

今回のコラムでは、7年連続で講師を担当いただいている西出講師、テックアカデミーの法人営業を担当するキラメックス社の高橋さん、エイチームの社員による対談インタビューをご紹介します。エイチームからは研修企画担当の千田さん、新卒入社当時にプログラミング研修を受講した間さん、板橋さんが参加。「新卒プログラミング研修」をテーマに、プログラミング研修の目的や意義、研修の成果、今後のデジタル人材の育成などについて語り合ってもらいました。
 
 
西出大介さん 株式会社Sun Asterisk

株式会社Sun Asteriskのフィリピン・セブ拠点であるSun Asterisk Software Development Inc.(ソフトウェア開発会社)を運営。また、英語圏×ソフトウェア開発の知見を活かし、オンラインプログラミングスクール「Awesome Ars Academia」で、日本の小学生〜高校生を対象にグローバル人材の育成を推進している。

 高橋彩美さん キラメックス株式会社

オンラインプログラミングスクール「テックアカデミー」の法人営業担当。オンライン型をベースにしながら、クライアントの要望に合わせた研修プログラムを提案している。

 千田光貴さん エイチーム 人材開発部 新卒採用グループ

2019年、エイチームに新卒入社。入社3年目で生理日予測・体調管理アプリ「ラルーン」の事業責任者を務める。現在は人材開発部に所属し、新卒採用業務を担当する他、新卒研修の企画等も行っている。

 間まりなさん エイチームライフデザイン コンテンツマーケティング部

2020年、エイチームに新卒入社。結婚式場情報サイト「ハナユメ」の記事メディアの運営やウェブ広告の運用などに携わった後、現在はコンテンツマーケティング業務に従事している。

 板橋辰汰郎さん エイチームライフデザイン コンテンツマーケティング部

2021年、エイチームに新卒入社。入社から現在に至るまで比較サイト「イーデス(旧ナビナビ)」において証券投資カテゴリのSEOマーケティングを担当している。

プログラミングへの苦手意識をなくし、
職種間のコミュニケーションを円滑に

プログラミング研修の目的

-まず、「新卒プログラミング研修」の内容と目的について教えてください。
 
研修担当 千田:
プログラミング研修は、入社後1ヵ月間で行われる新卒研修カリキュラムに組み込まれています。1~2週間の期間で、簡単なプロダクト制作の一連の流れを体験してもらいます。具体的には、開発環境の構築からWebページの制作、MySQLを使用したデータベースの構築など。それと並行して、ライブラリやフレームワーク、APIなどの基礎知識を座学で身につけていきます。
 
研修を実施する目的は二つあります。一つ目は、プログラミングへの苦手意識をなくすこと。例えば、間さんや板橋さんのようなマーケティング担当者でも、自分でSQLを書いたりGASを組んだりする機会があると思います。基礎知識がないと苦手意識を持ってしまいます。それらを取り除くことが目的の一つです。
 
二つ目は、エンジニアと円滑にコミュニケーションが取れるようになること。非エンジニア職が、エンジニアが気にするポイントについて、その背景や意図まで汲み取れるようになることも目的です。
 
自分でプロダクトをつくっていくと、コードを変更したときの影響範囲がいくらかイメージできるようになります。それがわかっていない状態で「ここを変えてほしい」と依頼するとエンジニアが困ってしまうこともあります。基礎知識があることでエンジニアへ配慮することができ、異なる職種間のコミュニケーションもスムーズに進みます
 
以上の目的を考慮した研修プログラムをキラメックスさんに提供いただいています。

2020年のエイチーム引越し侍(当時)でのエンジニア向けの実務研修の様子

キラメックス 高橋:
ビジネス職の方々には「はじめてのプログラミングコース」、エンジニア職の方々には「ゲームエンジニアコース(エイチーム専用オリジナルコース)」「Pythonコース」などの専門的なカリキュラムをご提供しています。「はじめてのプログラミングコース」で学習が早く進む方には、通常とは別のコース、例えばPHPを学んでいただく「PHP/Laravelコース」などを追加で用意させていただいています。
 
当社が提供している「テックアカデミーIT研修」はオンライン型(一部オフライン含む)ですが、メンターが1対1でサポートをすることでしっかりと実践的なスキルを身につけられる点が大きな特徴です。エイチームさんの研修はオフラインで実施しており、そのメンターの役割を西出講師にお願いしています。

研修の場に西出講師を派遣させていただき、直接やり取りしていただく形式を採っています。メンターがその場にいるので、すぐに質問できますし、すぐに回答を得られるのでタイムラグが発生しません。
 
千田さんがおっしゃった目的は事前に伺っていました。当社の研修を導入いただいて以来、西出講師をアサインさせていただいていますが、ビジネスサイドとエンジニアサイド、両方の視点を持って受講生の方と接していただける点がお願いしている理由の一つです。また、毎年、エイチームさんからも良い評価や感想をいただいているので、ずっと西出講師にお願いしています。
 
 
西出講師:
私は7年間、エイチームさんのプログラミング研修の講師を担当させていただいていますが、最初は非エンジニア職の方への研修からスタートしました。エイチームさんから「ビジネス職の方がエンジニアリングを理解すること」「エンジニアとチームワーク良く仕事ができること」を研修の目的と伺っていました。現在も、その目的を達成することを意識しています。
 
非エンジニア職の中には、プログラミングやコーディングは「やったことがないから苦手」と考えている人が多いと思います。いわゆる、食わず嫌いですね。「テックアカデミー」のコンテンツはそういった方にも理解しやすいように作られています。きちんと完遂いただくことで「やったことがないからわからない」という状態から脱し、食わず嫌いにならないようにすることも目的の一つとして据えています。
 
加えて、非エンジニア職の人たちに、プログラミングやエンジニアリングをご自身の業務に結びつけていただけるような工夫もしています。研修中、毎日「日報」を出していただくのですが、そこに書かれた内容からトピックを選んで「日々の業務のこういうところに活かせますよ」とお伝えする。
 
また、もっと抽象度を上げて「このプログラミングの考え方って、実はデザインの考え方のこういうところとつながりますよね」とか「組織経営、組織マネジメントの考え方につなげることもできます」とお伝えすることもあります。エンジニアリングが他人事ではなく自分事になるようなトピックをできる範囲で発信するようにしています。

 
-過去には受講生が90名以上の年もあれば、5名しかいない年もありました。人数によって、講師として対応を変えることはあるのでしょうか。
 
西出講師:
特に大きく変えるようなことはないですね。先ほどお伝えしたとおり、皆さんには日報を出していただいており、当日の学びや反省点、明日へのアクションプランを言語化してもらっています。

そこに書かれる内容、言い換えれば、学びの中で感じる課題感は人数の多寡に関係なくある程度の傾向があると感じており、統計的にもまとまるように感じます。日報をもとに受講生の疑問・関心に基づいた補足講義をするという点で、やり方や対応が大きく異なることはなく、また、補足講義でお伝えする内容に一定の共通性が出てくる傾向があるという意味でも、そこまで大きく変わることはないですね。
 
ただ、人数が多いときだけ実施することもあります。研修をしていると、受講生の学習の進度にはどうしても差が出ます。人数が多いと、他の人よりも早く終わってしまう人が一人二人ではなく、多数出てきてしまうことがあります。

以前、20人くらいの受講生が早く課題を終えてしまったときは、チームを組んでハッカソンをやってもらいました。エイチームさんの目的である「エンジニアリングを理解する」「エンジニアとチームワーク良く仕事をする」ことを考慮し、チームでの擬似体験を取り入れようと考えたんです。このように個々の進捗のブレを調整する点では、参加人数によって対応内容を調整することはあります。
 
その点を除いては、基本的に人数によって大きく対応を変えることはありません。進捗全体を見ながら受講生一人ひとりの課題感を日報をベースに可視化して、それに対して自分が所有しているアセットで提供できることを提供する。それをフレキシブルに実践していこうと考えています。

受講生一人ひとりが、自分なりに意義を持って取り組む

2023年度のプログラミング研修を振り返って

-2023年度も研修を実施いただきました。今回の研修についてどのような印象を持たれましたか?
 
西出講師:
例年に比べて受講生の数は少なかったのですが、それ以外は特に違いはなかったように思います。毎年共通して感じることは、エイチームさんには真面目に取り組む方、成長のポテンシャルが高い方が多いということ。
 
学習の進度についても今年も個人差があり、物凄い速度で進む方もいれば、苦労している方もいました。早く進んでいた方は、その分プラスαの学びを自身の業務をイメージしながら能動的に身につけていましたね。
 
一方、苦労していた方も、日報を見ると自分なりに意義を見出しながら取り組んでいたように感じていました。受講生の皆さんが、個々に自分なりの意義を見出しながら学ぶ姿勢があった、という点も、例年の受講生の印象と近しいイメージでした。
 
キラメックス 高橋:
前向きに研修に取り組んでいる方が多かった印象です。西出講師がお話ししたように、苦労していた方もご自身の習熟度を自覚した上で、どうやって取り組んでいくべきかを自ら考えて臨んでいたと思います。
 
また、皆さん非常に仲が良く、お互いに教え合うような場面も見られました。凄く早く学習が進んでいた方が、全員のハブのような存在になって周りに声がけしている姿もありました。とても良い環境で学習を進めていただけたと感じます。
 
研修担当 千田:
早く学習が進んだ社員はエイチームで内定者アルバイトをしていて、実務でプログラミングに携わった経験もあったので、他の受講生より早く進むことは想定していました。一人だけ進度が早い点を考慮して、合間に「言語の歴史」を学ぶカリキュラムを用意するなど、西出講師に相談させていただきながら適宜調整をしていきました。

今年のプログラミング研修はリアルで開催

新卒メンバー同士、サポートし合いながら学び、高め合う

研修を振り返り、得た学びや気づき

-過去に研修を受講した新卒入社のお二人にお聞きします。入社1ヵ月目に参加したプログラミング研修を受講して、どんな感想を持ちましたか?

2020年 新卒社員 間:
文系の学科を卒業しているので、「プログラミングの研修をやる」と聞いただけで不安になりました。案の定、わからないことが多かったですが、わからないときはGoogleで検索したり、Qiitaの記事を読んだりしてクリアにしていきました。
 
そうしたことを積み重ねていくうちに「ネットで調べれば良い知見が得られる」「調べて対処すればなんとかなる」と実感できるようになっていきました。その結果、受講前に感じていた不安もなくなりましたし、プログラミングそのものに対する漠然とした苦手意識もやわらいだと思います。
 
エイチームでは、普段の業務の中でお互いにフォローし合う瞬間がたくさんあります。自分が持っている知識やスキルをチームに共有して、スキルの平準化をはかることも大切にしています。プログラミング研修を通して、それにつながるような経験ができたことも強く印象に残っています。
 
この研修は、得意な人と苦手な人との差が出やすいと思います。学生時代からプログラミングを経験している人もいれば、私のように全く触ったことがない人もいる。実際に、経験している人は学習が早く進みました。でも、早く終わったメンバーたちが、進度が遅れているメンバーに対して「よくあるミス集」を作成してくれたり、自由に質問させてくれる場を提供してくれたんです。
 
新卒入社の同期が一丸となってプログラミングの課題に取り組んだことは、知識が身についただけではなく、エイチームらしい仕事の進め方を体現する良い機会にもなりました。
 
2021年 新卒社員 板橋:
私は、とても苦労した印象があります。私も間さんと同じく文系出身。プログラミングどころかWebにもあまり縁がなく、苦手意識がありました。実際に研修で学び始めても、周りの人たちの進度に追いついていけない状況が続きました。
 
でも、最終的には「面白かった」と思える内容でした。演習問題は、初めてプログラミングをする人にも理解しやすいように作られていたと思います。基本的なことを一つずつ、順序立てて理解していくことができました。学習のスピードは遅かったと思いますが、自分ができるようになっていくことが実感でき、そこに面白みがありました。少しずつでも「やればわかる、できる」ことが認識できて、当初の苦手意識も緩和されました。
 
 
-社会人になると苦手なことにも取り組まなければならない状況があると思います。板橋さんにとってはまさにプログラミング研修がそうだったと思いますが、どのように乗り越えていったのでしょうか?

2021年 新卒社員 板橋
間さんのお話にもあったように、周りの同期たちが教えてくれました。それが非常に大きかったです。個人的には一人で黙々とやるのが苦手なタイプ。チームで協力しながら取り組むこと、みんなで頑張ることが好きなんです。みんなとコミュニケーションを取りながら進められたことが、メンタルケアになっていたのかもしれません。仲間の存在は大きかったです。

物事の仕組みを知ることで、仕事の幅が広がった

仕事で生きたプログラミングスキル

-研修を終えて事業部に配属されました。研修で学んだプログラミングの経験は実務でどう活かされていますか?
 
2020新卒社員 間:
現在、私はコンテンツマーケティングの分野でサイト改善を担当しています。自分でコードを書き換えるようなことはありませんが、サイトの構造を見たり、仕様を設計したりする機会はとても多いです。基礎的な知識があるおかげで、コードを見たときに「ここの記述があるからこういう挙動をしているんだろうな」と推測することができます。その結果、エンジニアやデザイナーとのコミュニケーションの幅が広がりますし、意思決定のスピードも早くなるように感じます。職種を越えてサイトを良くしていくための議論をする場も多いのですが、そのような場でもエンジニアリングの基礎知識が役に立っています。
 
2021年 新卒社員 板橋:
研修を受けたことで「できないことができるようになる楽しさ」を知りました。今、SEOやコンテンツマーケティングを担当していますが、SEOも最初は全くわかりませんでした。でも、できないことができるようになる楽しさを実感していたので、最初から前向きに業務に取り組めたと思います。また、コンテンツを作成する際にHTMLで記述をする機会がありますが、その点は研修で学んでいたので、すんなりと取り組むことができました。
 
2020年 新卒社員 間:
自分でSQLを使って「ハナユメ」のデータベースからデータを引き出すこともあります。自分が理解していないとエンジニアに依頼をしないといけない。でも、理解していれば、今欲しいというタイミングでデータを引き出すことができます
 
研修ではSQLについて深く学ぶことはなかったですが、自分で学んだり、周りのエンジニアに教えてもらったりしながら理解を深めていきました。研修のときに「困ってもネットで調べれば解決できる」という経験をしていたので、SQLについても苦手意識を持たずに挑戦できたんだと思います。
 
2021年 新卒社員 板橋:
仕事ではエンジニアとコミュニケーションを取る機会も多く、その際にも学んだことが活かされていると感じます。ただ、ある一定のレベルまでは理解できますがエンジニアと対等のレベルは難しい。でも、それはお互い様であると考えるようになりました。
 
自分はエンジニアのことを全てわかるわけではないが、エンジニアもSEOのことを完全に理解できるわけではない、と。「ある領域のことがわからない、知らない」ことを実感する経験をしたので、そんな気づきが得られたんだと思います。以降、お互いにわからない部分の認識を合わせることを、職種間のコミュニケーションで意識するようになりました。そういったコミュニケーションが実践できるのも、プログラミング研修のおかげだと思います。

苦手意識がなくなることで、新たなチャレンジができる

-お二人の話を聞いて、研修の成果についてどう感じられましたか?
 
西出講師:
先ほどお伝えした「食わず嫌いをなくす」という点では成果を上げることができていると感じました。間さんが苦手意識や先入観を持たずSQLに取り組んでいることは、食わず嫌いになっていないことの証左であると思います。
 
また、板橋さんの場合も、異質なものに対して食わず嫌いをせずに理解しようというスタンスがあるからこそ、職種間でのコミュニケーションに気づきが得られたんだと思います。
 
お互いに専門領域がある職種間で「そもそも専門が違うから理解できない」と食わず嫌いにならず、「どうやったらお互いに理解できるだろう」という一歩進んだコミュニケーションが取れているという意味で、ある種それもエンジニア研修があることの意義だと感じました。
 
キラメックス 高橋:
ビジネス職の方がエンジニアの方の気持ちを考えられるようになったり、西出講師がおっしゃった通り、食わず嫌いにならずに取り組むことができているので、成果は上がっていると感じます。
 
何よりも嬉しいのは、研修後の成果をお聞きできたことです。当社では研修の運営をしていますが、その後、受講いただいた方がどう実務に活用しているのか、どのような活躍をされているのかをお聞きする機会は多くありません。今お聞きした内容を社内にしっかりと共有したいと思います。ありがとうございます。
 
研修担当 千田:
苦手意識がかなり薄まっているところが一番の成果ですね。それは今年に限らず、毎年のように得られる成果です。新卒プログラミング研修を実施してきて本当によかったと思います。
 
エイチームは創業者の林がプログラマ出身ということもあり、エンジニアが使うような言葉や文章を普段から使用することが多いです。日報をMarkdownで書いたり、ビジネス職がGitLabでイシューを作成して「これでお願いします」と依頼することも当たり前のようにある。一般の企業ではかなり珍しいことだと思います。新入社員たちはプログラミング研修で学ぶことで、アレルギーがない状態でその環境に飛び込むことができていると思います。
 
社内にはノーコードのツールを使い、個人でサーバの契約もして、サイトを立ち上げるような社員もいます。創造力を持って「エンジニアじゃなくてもできるのではないか」と挑戦するところはエイチームの特徴です。研修に参加したことでエンジニアリングに対する苦手意識が薄まっていることも、そのような挑戦を後押しする要因になっていると思います。

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プログラミング研修の意義・意味とは

-7年連続で講師を担当されている西出講師にお聞きします。エイチームが「新卒プログラミング研修」を実施する意義は何だと思いますか?
 
西出講師:
エイチームさんのようなIT系の事業会社にとっては、事業マッチ度も高いと同時にカルチャーマッチ度も高いので、非常に有意義な研修だと思います。また、職種を越えてチームでプロダクトをつくっていくエイチームさんの組織のあり方を考えても、このプログラミング研修は有意義なものだと感じます。
 
エイチームさんでは、ビジネス職、デザイナー、エンジニアの方々が近い距離で一つのプロダクトをつくっている。お互いの職能を理解し合って、強いチームとなってサービスやプロダクトをつくっていらっしゃいます。そのような組織だからこそ、他職種のことを学ぶ研修は大いに価値がある。エンジニア職の人もビジネスの研修やデザインの研修に参加されていると聞いています。それも、大変有意義だと思います。
 
また、研修で名古屋の本社に伺うと、過去の受講生から「西出さん、食事に行きましょうよ」と誘ってもらえることがあります。その時にいろいろな話をするんですが、非エンジニア職の人から、仕事においてエンジニアリングの思想を発揮している話や、エンジニアリングの考え方に通ずるような本を読んでインプットしている話を聞くこともあります。研修の影響かどうかわかりませんが、そのような話を聞くと職種を越えたチームで仕事をするエイチームさんらしさを感じますね。
 

-間さん、板橋さんはエンジニアリングの領域でこれから挑戦していきたいことはありますか?
 
2020年 新卒社員 間:
最近はPythonにチャレンジしています。主に、データ処理・分析・解析に使用しています。コンテンツマーケティングを行う上での調査や分析を効率的に行うためにはプログラミングの力が必要です。プログラミングやコーディングの知識をもっと身につけて、日々のマーケティング業務に活かしていきたいと考えています。
 
2021年 新卒社員 板橋:
今、ノーコードの領域に少しずつ触れているところです。そのスキルを磨いて、独力で完結できるようにしたいですね。コンテンツマーケティングは、ユーザーの皆さまに有用なコンテンツ、サービスを提供することが使命であり、目的であると考えています。エンジニアやデザイナーの力に頼るだけではなく「自分でできることはないか」と考えて、それを実施していけるようにしたい。選択肢を狭めずに、それぞれの局面でユーザーの方々にとってベストなものを突きつめて考えて、自らの力でできることを実践していきたいと思っています。
 

今後のプログラミング研修の展望

-「新卒プログラミング研修」の今後について、千田さんはどうお考えでしょうか?
 
研修担当 千田:
間さん、板橋さんの話を聞いて、改めて継続していくべきだと感じました。ただ、ビジネス職に求められるエンジニアリングのスキルが年々上がっているように感じています。次年度以降、研修の内容をアップデートする必要があるかもしれません。そのあたりは西出講師、高橋さんに相談しながら検討していきたいと思います。
 
キラメックス 高橋:
これから研修の内容も変わっていくかもしれませんね。ノーコード、ローコードなど、テクノロジーを扱うときの選択肢が増えている中で、これまでの内容に固執することは逆に研修の効果を下げうる可能性も否定できません。ただ、現状を申しますと、多くの企業様からお聞きするのは「ビジネス職の方がエンジニアリングの知識を得ることで、業務の可能性が広がったり、コミュニケーションの円滑化など成果につながっている」という声です。
 
IT人材が不足していく中でエンジニアを育成していくことは大事ですが、一方で、非エンジニア職の方がエンジニアリングの知識を身につけて業務の生産性を上げていくことも、ますます重要になっていくのではないかと考えています。

VUCA時代で活躍するための人物要件

-最後に、西出講師と千田さんに質問です。不確実性の時代と言われる現代において成長、活躍していくためには、どんな人材になる必要があると思いますか?
 
西出講師:
21世紀前半は、人間のあり方や社会のあり方が大きく変化する時代だと思います。新しいものが無限に生まれてくる可能性がある時代だとも言えます。

その新しいものに対して、やはり食わず嫌いにならないことが大事です。新しいものに対して、わからないからと言って苦手意識を持って敬遠してしまうと、自らの可能性を閉ざしてしまうのではないでしょうか。正解がわからない時代だからこそ、食わず嫌いにならない気持ちをマインドセットとして持っていることが重要だと思います。
 
また、テクノロジーの影響力が大きな時代だからこそ、変化に対する価値観を広げておくことも重要だと考えています。様々な変化に対して食わず嫌いになることなく、なおかつ、幅広い価値観でその変化を解釈する姿勢が重要になるでしょう。

そのような姿勢を持つことで、IT企業としてプロダクトを通じて変化をもたらす側になる際にも、独り善がりな変化を生み出すようなことも減る。より多くの人たちのウェルビーイングにつながるような変化の生み出し方、プロダクトのつくり方ができると思います。
 
新しい変化に対して食わず嫌いにならないこと、同時により多くの人たちのことを想像できる価値観の広さを持つこと。それができる人材であることが重要だと思います。

研修担当 千田:
私は、二点あると考えています。一点目は「好き」という感情を持てること。プログラミング研修からも、育成担当として普段の社員の様子を見ていても、「好き」という感情が何よりも成長速度を上げることを如実に感じます

どんな分野であれ、自分の「好き」に巡り合った人が一番強いと思う。ただ、「好き」に巡り合うためには、西出講師がおっしゃるように食わず嫌いにならないことが大切です。好き嫌いをせずにいろいろなものに対して一歩踏み出してみないと、それが好きかどうかもわかりませんから。
 
二点目は、もっともらしい正解に飛びつかないこと。正解が見えないVUCAの時代だと言われていますが、長いビジネスの歴史を振り返れば一定の正解と言えるようなものがあるでしょうし、今はそれをすぐに手に入れることもできます。そのためか、多くの人が同じような方法でもっともらしい正解に向かうような流れがあるように感じます。プロダクトを見てもコモディティ化している印象を受ける。言うなれば、今のビジネスの多くはもっともらしい正解に飛びつき、似通ったものが多くなってしまっている状況にあるのではないか、と。
 
その中で必要なのは「こだわりきること」。外れ値的な当たりを出すような人や会社は、普通は気にも留めないようなことを徹底的にやり切ります。既存の枠の中で「これくらいでよいか」と考えるのではなく、一つの特定分野で良いからこの世界で最も優れたものを作るという気持ちが必要なんだと思います。私自身も過去、「これくらいで良いか」という思考で、一定の正解で留まり失敗してしまっていることもあるので、徹底的にこだわるということを改めて意識しています。

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