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【リケジョ対談】理系女性社員が語る、私たちの仕事、家庭、そして人生。女性“STEM”人材のホンネに迫る。

科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の分野を統合的に学び、IT社会とグローバル社会に適応した国際競争力を持った人材を育てることを目的としたSTEM教育。そのような教育を受けた人=STEM人材は、新たな時代に必要とされる自発性、創造性、判断力、問題解決力を有し、自発的に学び、自分で理解する、自分で発見していく力に優れていると言われます。ビジネスシーンにおいても独自の創造性(クリエイティビティ)を発揮されることが期待されています。

エイチームでは理系出身の女性社員が多く活躍しています。今回、女性のSTEM人材3名により「リケジョ座談会」を開催。学んできたSTEM領域や仕事での活かし方、仕事や家庭、人生など、理系女性社員の本音を聞きました。


あゆこさん エイチームライフデザイン Webエンジニア

東邦大学大学院理学研究科生物分子科学専攻卒。大学では「がんの遺伝子」に関する研究を行う。独立系SIerのシステムエンジニアを経て、2011年にエイチームへ中途入社。以来、主に「ハナユメ」のエンジニアとして活躍。趣味は登山。一児の母。

さわさん エイチームライフデザイン Webエンジニア

愛知県立大学情報科学部情報システム学科卒。大学でコンピュータサイエンスを学び、Web系の制作会社にエンジニアとして入社。2016年、中途でエイチームに入社。「引越し侍」のアプリ開発、インフラ構築・保守等を担当。現在、第二子を妊娠中。

ひぐりん エイチームライフデザイン Webデザイナー

公立はこだて未来大学大学院知能情報科学領域卒。大学では「音楽×IT」に関する研究に従事。大学で情報デザインを学んだ経験を活かして、Webデザイナーとしてエイチームに新卒で入社。自動車事業、金融メディア事業を経て、現在はお金の情報サイト「イーデス」のWebデザインを担当している。

私たちが理系の道を志した理由

-大学で学んだ内容とこれまでのキャリアを教えてください。

あゆこ:
理学部で「がんの遺伝子」の研究をしていました。私が学んだ内容を活かせる就職先としては製薬会社などが一般的です。研究は大学病院や国立の研究所などで行い、その現場で製薬のプロの方とも接してきましたが、リアルな現場を経験する中で自分が興味を持って学んできたこととビジネスとの間に少しギャップを感じたんです。

改めて仕事選びについてリセットをして、適性検査を受けてみました。その時に「システムエンジニア」が適性として突出していたんです。その結果を受けて、エンジニアとしてキャリアをスタートさせました。システムエンジニアとして経験を積んだ後、エイチームに入社して「ハナユメ」のサイト開発や改善、社内システムの構築・運用からAIの開発など幅広く担当してきました。最近はエンジニアの採用や育成などにも携わっています。

さわ:
情報科学部でコンピュータサイエンスを学びました。新卒でWeb系の制作会社に入社して、自社サービスの開発や受託開発などに携わりました。その後、結婚などを機に転職をしましたが、いずれもWeb制作会社でエンジニアとして働いてきました。エイチームに入社してからは「引越し侍」のサイト開発やインフラの構築や保守を担当しています。

ひぐりん:
大学ではプログラミングからデザインまでIT領域全般を学びました。中でも力を入れたのは「音楽×IT」の研究です。例えば、音楽を聞いている時の人の情動の変化を、楽譜情報から予測するモデルの研究を行っていました。

エイチームにはデザイナーとして新卒で入社しました。研究職に就く道もあったのですが、研究職は1つのオリジナルテーマを掘り下げて、真理を解き明かすような仕事。それに対して、デザイナーは世の中にある色々な法則を組み合わせて問題解決をする仕事です。自分としてはこちらをやりたいと思いました。また、ずっとピアノをやっていて、もともと創作や表現が好きだったこともデザイナーを選んだ理由の一つです。

-なぜ、理系分野を学ぼうと思ったのですか?

あゆこ:
動物が好きで、生物が学びたいと思ったことがきっかけです。高校から理系のクラスに進みました。ちょうどバイオテクノロジーの人気が出始めた頃で、その点にも興味を持ちました。

さわ:
子どものころから、ずっと理数系が得意だったんです。特に数学が得意でした。大学は数学科へ進学しようとも思ったのですが、当時の先生から大学で数学を学ぶとなると私の志向とは少し違ってくるとアドバイスをいただき、情報科学系の学部へ進みました。

子供の頃に父からもらったパソコンで遊んでいた時期があったり、モノが動く仕組みに興味があったり等、昔からそのような志向もあったせいか、情報科学の分野を「面白そう」と思えたんです。

ひぐりん:
私も理系科目が好きだったことが大きいです。一方で文系科目は苦手。国語も英語も歴史などの暗記ものも苦手でした。私もさわさんと同じで、小さい頃からモノの仕組みや原理を考えるのが好きでした。なぜ太陽は燃えているのか。なぜ雲は動いているのか。そんなことを考える子供でした。

大学は情報系に進みましたが、特に情報系が良かったというわけではありません。幼稚園の頃からずっとピアノをやっていて、アーティストにも憧れがありました。でも、芸術の道は大変だろうと思って、その道へ進もうとは思いませんでした。進学先を決めるにあたり、母校である大学のパンフレットに「ピアノの学習支援をITで行う」といった研究テーマが紹介されていて、そこに興味を持ったんです。理系でもあり、表現に関わる分野でもあり、学ぶことで世の中の役に立つこともできると思って進学を決めました。

STEMの学びと仕事との共通点

-STEM人材は、情報技術の進化が激しいVUCAの時代において不可欠な存在とされています。特に、論理的思考(統計学、論証力、データ重視の意思決定)や問題解決力などがビジネスの現場でも期待されています。皆さんが学生時代に学んだことは、仕事をするうえでどのように役立っていますか?

ひぐりん:
もともと論理的思考力はなかったほうだと思います。どちらかというと直感型のタイプでした。論理的に考える力は大学の研究で鍛えられました。1つのテーマに対して仮説を設定して、根拠を集めて、結果を記録して、考察して、1つの論文にまとめる。それを実施していくに従って、仮説思考や論理的思考の力が鍛えられたと思います。苦労しましたが、周りの先輩や教授に教えてもらいながらコツコツと学んでいきました。

論理的思考が仕事に役立ったと言えば、金融メディア事業でのLPOの改善が該当するかもしれません。データを見て、仮説を立てて、考察をして、ABテストをやって、記録して・・・と大学の研究と似たようなプロセスを踏み、結果としてCVRの改善につながりました。

あゆこ:
バイオテクノロジーの研究も同じです。過去の研究から結果を集めて、それをもとに仮説を立てて、実験を計画して、手を動かして、できたものの結果を考察する。これを何度も繰り返します。この経験は社会になってどう活かせるんだろうと思っていましたが、社会人として経験を積んでいくうちに、仕事では課題解決のPDCAサイクルも同じだと思うようになりました。

機械学習(AI)のモデルの開発でも同じです。データを可視化して、傾向を見て、仮説を立てる。仮説をもとにモデルをつくり、どのように業務に活かすのか、どう運用していくのかを考えるんです。学生時代のがんの研究でも、小さいデータを見るところから最終的にどのように世の中に活かせるのか、と視野を広げていくようなプロセスで進めていました。

また、AIは研究の要素も強いですし、前例がないことが多くて「やってみないとわからない」という実験のような側面もあります。仕事をしている中で「これは学生時代の実験でやっていたことと一緒だな」と懐かしく感じることもあります。

さわ:
プログラミングには論理的思考が必要です。私も最初から身についていたわけではなくて、実践してくうちに身についてきたように感じます。プログラミングを行うことで論理的思考力が鍛えられ、プログラミング以外でも論理的思考を活かすことができるようになりました。また、そうした経験によって論理的思考力がさらに鍛えられて、今度はそれがプログラミングに活かされる。そんな良い循環が生まれていると思います。

女性STEM人材ならではの葛藤や苦労

-「女子は文系・男子は理系」というジェンダーバイアスが存在しているようにも感じます。学生時代に理系分野を学ぶうえで、そのように感じた経験はありますか?

ひぐりん:
特にはなかったかもしれません。理系に進むことについて反対もされませんでした。しかし、理系とは関係ない話ですが「女性は結婚をして子供を産んで家庭に入るものだ」という考えの人が周りにいることはありました。でも、それはその人の価値観。自分は自分のやりたいことをやれば良い。女性だからとか、文系理系とか関係なく。私はそう思っています。

さわ:
理系クラスは比較的男性が多いので、男性が多いコミュニティに身を置くことが多かったです。今は何とも思いませんが、学生の頃はやはり気を遣いました。性別が違うことによるコミュニケーションのハードルはあったと思います。実際、女性ばかりのコミュニティにいるときは気が楽だったようにも感じます。

あゆこ:
生物系は女性が比較的多くて、大学では男女比は半々でした。でも、高校の理系クラスは30名中、女子は5人だけ。高校では英語クラスもあり、そこは女子ばかりで、その中では理系クラスの私たちはいわゆる少数派でした。英語クラスにいるときは、同性の女子たちからの見られ方を少し気にしていたところはあります。

-STEM領域のキャリアを選択するうえで、女性として苦労や困難に感じたことがあれば教えてください。

あゆこ:
10年前に出産を経験しました。当時はまだ育児や家事は女性が中心という考え方が強かったように思います。「母親なんだからやって当たり前」といった声もありましたし、私自身も「結局やっちゃう」ところがありました。

エンジニアは学びの連続。勉強し続けていかなくてはいけません。育児をしながらキャリアアップしていくことについて悩んだ時期もありました。でも、次第にジェンダーレスの考え方が浸透してきて、周りの人たちの意識も変化して、自分のスタンスも確立されてきたように思います。

「女性だから」「母親だから」という考え方が好きではありません。「ママエンジニア」と言われるのもイヤです(笑)。そう言われると「子育ての中心はママ」と逆に強調されているように感じてしまいます。女性だから、ママだからではなくて、あくまでも役割の一つ。仕事も育児も、社会や家庭における自分の役割としてやっている。そのようなスタンスです。

さわ:
どの仕事も学びは大切だと思いますが、特にエンジニアは学び続けることが求められます。出産・育児を経験して、以前よりも学ぶことが大変になったと実感しました。上司に相談したら「今は一旦諦めるのも手だよね」と言われて気が楽になりましたが・・・現在、第二子を妊娠中です。自分のキャリアと家庭。どのようにバランスを取りながらやっていくべきか。まだまだ葛藤はあります。

ひぐりん:
私は結婚や育児の経験がないため、お二人のような実感はありませんが、周りの友人を見ていると、まだジェンダーレスとは言えないような状況があると感じています。例えば、結婚を機に旦那さんのほうについていくとか、働き方もパートに制限するとか。そんな話をよく耳にします。東京では女性の社会進出が多いけど、それに伴い結婚をする女性も減るかもしれないという話も聞いたことがあります。女性が出産をして、育児をする。その影響でキャリアが少し止まってしまう。そのような不安はまだまだあるように感じます。

あゆこ:
正直に言うと、独身女性や子供がいない人を見て羨ましいと感じるときがあります。子供を産んだことを後悔してはいませんけど、育児が大変なときなどは「いいな」と思う瞬間がありました。「お子さんがいるから大変ですよね」と言われることもありますが、実はそれほど大変じゃないときもあったりして・・・そういう気遣いが辛く感じることもあります。

「自分らしく生きられるキャリア」とは?

-皆さんは男女や文理に関係なく、自分らしいキャリアを歩んでこられたと思います。今後、「自分らしく生きられるキャリア」をどのように積んでいこうとお考えですか?

ひぐりん:
自分のやりたいことを、ひたすらやっていきたいです。「一般的にはこうだから」「世の中の常識ではこうだから」といった声を気にしないほうが良いと思っています。地元の輪の中にいると自分が特殊だったりしますが、コミュニティを変えれば違ってきます。どの集団に属するかによって自分はマジョリティにもなります。家庭との両立などキャリアを積んでいくには様々な困難もあると思いますが、自分のやりたいことを、自分のペースでコツコツと続けていきたいです。

さわ:
エンジニアのキャリアとして、マネジメントの道へ進むのか、技術のスペシャリストを目指すのかという選択があります。まだ、どちらへ進むのか決めていません。私は子供を産むことが怖いと思っていました。でも、産まなかったら絶対に後悔するとも思っていました。出産したことで仕事は大変になりましたが、一方でとっても大きな幸せをもらっています。どんなキャリアを目指していくのか、どのように仕事と家庭を両立させていくのか。考えることは多いですが、自分も家族も幸せになれる人生、キャリアを見つけていきたいと思っています。

あゆこ:
気がつけば寿命の半分近くを生きてきました(笑)。そう考えると、残りの人生はそれほど長くはないのかもしれません。人生は一度きりです。「楽しいことをいっぱいしたな」「人に喜ばれるようなことがたくさんできたな」「自分はがんばったな」と最期に思えるような人生を歩みたいと思っています。特別に高いキャリアを積もうとは考えていません。自分自身が納得できることをやる。誰かに喜んでもらえることをやる。そういったことをコツコツと続けていけば、自分らしいキャリアは積み上がっていくものだと思います。


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