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【エイチーム×Paddle社長対談】M&Aで切り開く企業成長の可能性―期待する事業シナジーの今後の展開―

暗号資産(仮想通貨)に交換可能なポイントが貯まるポイ活アプリ『Bit Start』『Bit Walk』などを展開する株式会社Paddle。2024年11月、同社がエイチームにジョインしました。エイチームが掲げる成長戦略「売上向上支援カンパニー」への変革に向かって、今後は共に歩んでいきます。今回の記事では両社の代表による対談インタビューをまとめています。M&Aの経緯から今後の展望に加え、共通の価値観やお互いに期待することなどについて聞きました。

株式会社エイチーム 代表取締役社長 林 高生
1971年生まれ、岐阜県土岐市出身。1997年に個人事業としてエイチームを創業、ソフトウェアの受託開発を開始。2000年に有限会社エイチームを設立し、代表取締役社長に就任。2012年4月に東証マザーズ上場後、史上最短の233日で東証一部への市場変更を実現。

株式会社Paddle CEO/代表取締役 井手 悠仁
首都大学東京卒。大学時代からiOSアプリの開発を行い、総合ランキング2 位にランクインした実績を持つ。2014年、新卒で株式会社VOYAGE GROUP(現CARTA HOLDINGS) に入社。広告事業の営業を担当する。2016年11月に「お金で夢を諦めない世の中を作る」をビジョンに掲げ、現在CTOを務める小橋と株式会社Paddleを創業。


-エイチームとPaddle、両社の出会いを教えてください。

井手 悠仁(以下、井手):
エイチームとの出会いは、PaddleのM&Aを進めていく中でM&A仲介会社から紹介してもらったことがきっかけです。でも、実はそれ以前から個人的にエイチームとは接点がありました。新卒で入社した前職のVOYAGE GROUP(現CARTA HOLDINGS)で、営業として初めて担当したクライアントがエイチームだったのです。
 
VOYAGE GROUP(現CARTA HOLDINGS)には学生時代からアルバイトで働いていて、リワードアプリをゼロから立ち上げる経験をしました。その当時にエイチームが「Zero App」シリーズのアプリ「快眠サイクル時計」をリリース。ポイントを貯めて目覚まし用の音楽を購入できるなど、その仕組みに感心しました。その後も、ユーザーの生活に根差した様々なサービスをリリースする会社として、エイチームには良い印象を持ち続けていました。

井手:
林社長との面談において印象的だったのが、私や共同創業者である小橋のプライベートの話をよく聞いてくれたことです。M&Aを進める中で複数の企業と話しましたが、そのほとんどが事業の話が中心だったのに対して、林社長は私個人や家族の話など“人となり”に関心を示してくれました。
 
そうした林社長の「人」を見るところは、エイチームにジョインした後も実感しています。エイチームの社員は素敵な人柄の人が多い。それは林社長が「人」を重視しているからだろうなと感じています。

林 高生(以下、林):
他の会社の方は事業のことを聞くんですね。

井手:
はい、事業の話が多かったです。「ジョインしたら辞めるんですか?」と言われたこともありました。私は「いや、引き続き事業を成長させるために、やりたいんです!」と回答していました。

林:
井手さんに対しては、ベンチャーで育ってきた方だという印象を持ちました。アグレッシブであり、アイデアマン。会社の成り立ちなどを聞いて、諦めないでチャレンジを繰り返してきた方だとも感じました。最初から確立されたビジネスがあったわけではない中で、井手さんと小橋さんで試行錯誤を繰り返しながら、今展開しているサービスを生み出し、育ててきた。その点は、同じく昨年6月にジョインいただいたmicroCMS社の松田さんにも共通していると思いますし、私たちエイチームにも近いものがあると思います。

今「引き続きやりたい」とお話された点も、チャレンジャーとして諦めないマインドがあるからこそのエピソードだと思います。ビジネスを軽く考えていない。あるいは、ビジネスが好きな人。ひとことで言うと「天才肌」という印象です。

-Paddleの創業の経緯を教えてください。

井手:
大学では理系を専攻していたこともあり「自分がアプリを開発して、友人がそれを使ってくれたら面白いな」と考えていました。それがきっかけでiPhoneのアプリの開発を始めました。同じ大学に通っていた小橋が企画、私が開発を担当。当時はその役割分担で、2人でアプリ開発を行っていました。就職後も小橋とは頻繁にコミュニケーションを取っていました。それぞれがIT企業で働く傍ら、ある時「そろそろ起業するか」という話になってPaddleの創業に至ります。

当時、私と小橋とで「個人によってお金に対するリテラシーに差がある」と話していました。実際に周りの同世代を見ても、そのような傾向があることを感じていました。ならば、日本におけるお金のリテラシーを上げよう。将来に向けて準備をしていくほうが、個人にとっても日本にとっても良いことだろう。そんな想いで、お金に関する事業を始めることにしました。そこで、金融メディアの運営をスタート。とはいえ、最初はなかなか上手くいきませんでした。

金融メディアの運営が簡単ではないこともあって、最初の一年は売上が全然上がりませんでした。「どうやったらお金を稼ぐことができるんだろう?」と悩んでいました。当時、小橋がエンジニアとして受託開発の仕事をしていました。それが我々の収入源。小橋が開発の仕事をする間、私は事業アイデアをひたすら考える日々。合計で100個くらいは考えました。そのような状態が1年半ほど続きました。

創業して2年経った頃に『Bit Start』をリリース。それまでの2年間、なかなか結果が出ていなかったので私たちの雰囲気も決して良いものではありませんでした。しかし、『Bit Start』リリースにあたり、小橋が行っていた受託開発をやめる決断を下しました。「この事業に集中しよう」「これに懸ける!」という強い想いでした。

-PaddleがM&A先としてエイチームを選んだ理由を教えてください。

井手:
当社がM&Aを選択した背景には、上場を目指すのが困難であった点があります。日本では、暗号資産を扱っている企業が上場するのはなかなか難しい。もし、その中で上場を目指すとなった場合、上場にばかり意識が向いてしまい、事業に集中できなくなるのではと懸念を感じました。そうであれば、我々のビジネスを共に成長させていける会社と一緒になったほうが成長スピードも速いと思い、M&Aを進めることにました。

エイチームを選んだ理由は3つあります。1つ目は、Paddleの事業を受け入れてくれたこと。「暗号資産」というビジネスの可能性にエイチームが勝機を見出し、ユーザー数、収益を伸ばしている事業であることをしっかり評価してくれました。

2つ目は、人の魅力です。私と小橋の2人だけではなく、社員も安心してM&A後も働けることを重視していました。エイチームの社員の皆さんは素敵な方ばかりで、私たちを温かく迎え入れてくれました。その点も大きな理由です。

3つ目は、グローバル展開を応援してくれていること。エイチームも海外に展開していますが、我々も海外展開に力を入れていきたい。その点が合致していることも理由の一つです。

-相手企業に対して期待していることを教えてください。

林:
ポイントアプリの運用ノウハウです。これまでのエイチームにはなかったマネタイズの方式です。エイチームは顧客情報やプロダクトを収益源としてきました。ポイントが仮想通貨に変わるというPaddleのビジネスモデルに魅力を感じました。エイチームの新しいサービスになっていくことを期待したいです。

精力的に実施しているグローバル展開にも期待しています。エイチームとしては、これまでに培ったグローバルマーケティングやCS、ゲーム開発のノウハウなどをPaddleに提供していきたいと考えています。また、デジタルマーケティング領域の強化にもつながる連携も模索していきたいです。

井手:
既にたくさんサポートしてもらっています。例えば、開発に関してPaddleのメンバーが悩んでいる時にエイチームのエンジニアからアドバイスをいただく機会もあります。あるいは、人材の採用においてエイチームの人事と連携を取らせてもらったり。また、これまではバックオフィス関連の業務を社長の私が全て行っていたのですが、そこを巻き取ってもらうことで、今は事業に集中することができています。海外展開についても一緒に進めさせてもらっています。事業に集中できる環境を整えてもらうことを、引き続き期待しています。

林:
私は、井手さん個人に対しても期待をしています。井手社長のように、自ら会社を立ち上げて軌道に乗せてきた人には、経営哲学があります。例えば、Paddleは少人数体制ですが、それは井手さんが人を増やすリスクを知っているからだと考えます。無暗に人を増やすのではなく、工夫をしながら着実に会社を成長させてきた。そのような井手さんの経営哲学やマインドは、エイチームの社員にとって大いに刺激になるはずです。

-お互いのどのようなところに魅力を感じていますか?

林:
井手さんの経営哲学のもとに今のサービスがあり、メンバーがいるんだと思います。オフィスを大きくしないことにも哲学を感じます。また、メンバー全員が高いポテンシャル、強いマインドを持っている印象があります。ものすごい量を対応しているCSの方だったり、元職人のエンジニアの方だったり、一人ひとりが魅力的です。週1回みんなでランチをするなどコミュニケーションも活発で、人やマネジメントに関する哲学もある会社だと思います。創業者はアイデアもいるし、技術もいるし、人間力も必要。井手さんは3つ全てを持っているので、率直に凄い人だなと思っています。

井手:
私は林社長のとても「人間臭い」ところに魅かれています。初めてお会いして、初めてコミュニケーションを取ったときからずっとそう思っています。

エイチームでは、自社の大切にする価値観を持つ人として“Ateam People”を定義しています。“Ateam People”は昔からあるものだと思っていましたが、2020年に策定したと聞いて驚きました。わずか数年前に定義されたものなのに、なぜこんなに素敵な人たちが集まっているんだ、と。きっと、以前から林社長の人材に対する哲学や軸があったからだと思います。それが言語化されたのが“Ateam People”なのではないか、と個人的には思っています。

私も曲がりなりにも8年会社を経営してきましたが、経営者として一番嬉しいのは社員が褒められる時です。Paddleは私を含めてわずか5名の組織ですが、誰かが褒められるたびに笑みがこぼれてしまいます。エイチームは規模も人数も違います。それにも関わらず、多くの魅力的な人材が集まっているところはエイチームの魅力だと思います。

-シナジーを生み出すために、積極的に取り組んでいきたいことはありますか?

井手:
今、新規事業にも取り組んでいますが、既にエイチームのリソースを活用しながら進めています。引き続き連携を取りながら、既存事業も含めて自社の事業を成長させていきたいです。また、海外展開についても力を入れていきたいので、エイチームの海外展開のノウハウを参考にさせていただきながら、一緒に伸ばしていきたいと考えています。

林:
Paddleの持っているベンチャー精神をどんどんエイチームに取り込んでいきたいですね。
また、Paddleの皆さんにとっても「エイチームにジョインしてよかった」と思ってもらえるようなシナジーを生み出していきたいと考えています。そのためにも、エイチーム、Paddleお互いに力を合わせて、一緒に成長していきたいです。

(了)


引き続き、刷新した成長戦略である「売上向上支援カンパニー」への変革に向け、積極的なM&A投資をすすめ、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります


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