【社員インタビュー】『引越し侍』のCMでおなじみ「よやきゅん♡」の生みの親が、エイチームのブランド戦略を語る
エイチームは2022年9月に“Ateam Purpose”の「Creativity × Techで、世の中をもっと便利に、もっと楽しくすること」を発表しました。「創造性の高いビジネス」の実現へ向けて、エイチームでは顧客に選ばれるための「ブランドづくり」にも力を注いでいます。
今回は、『引越し侍』のブランディングに外部のクリエイティブディレクターとして関わった後、エイチームライフデザインのブランドコミュニケーション部にジョインした西田良平さんにインタビューしました。ご自身のキャリアや「二代目よやきゅん♡デジタル写真集」企画の背景、エイチームのブランド戦略などについてお話いただきます。
エイチームライフデザイン ブランドコミュニケーション部 西田良平さん
広告制作会社でコピーライターを経験した後、広告代理店でコピーライター、CMプランナーとして活躍。前職の広告代理店で『引越し侍』のテレビCM・ラジオCMの企画・ディレクションを担当する。2023年10月、エイチームライフデザインに入社。引き続き『引越し侍』のCMを手がける等、ブランドコミュニケーション部のメンバーとして主にクリエイティブディレクションを担当している。
※画像については、タレントの所属事務所に許諾を得て掲載しております。
お笑い好きの少年がエイチームと出会うまで
お笑い系(?)コピーライターになる
小学生の頃から現在に至るまで、ずっと熱中していることがあります。それは「お笑い」です。学生時代は漫才やコントのビデオをテープが擦り切れるほど見たり、ネタを写したりするほどドハマりしていました。今でもお笑いへの熱が冷めることはなく、漫才コンビも組んでいたりします(現在、活動休止中ですが・・・)。
昔から芸人への憧れを抱きつつも、これまでに様々な職を経験してきました。その中で、自分のお笑いへの情熱を活かせると感じたのがコピーライターという仕事です。コピーライターとして働いていた時は、お笑い好きを活かしたコピーを多く書き、「こういうお笑い系の案件は西田だな」とお笑いの要素がある仕事を任せてもらえるよう意識していました。
広告代理店で『引越し侍』のCMを担当
コピーライターとして賞をいただくなど少しずつ実績を積んでいくに従って、もう少しクライアントの近くで自ら提案するような仕事がしたいと考えるようになり、広告代理店へ転職しました。
広告代理店ではコピーライターに加えて、CMプランナーとしても活動していました。『引越し侍』のCMを担当したのがエイチームとの出会いです。
出会いは2011年、もう13年前のことです。その仕事の中でも自分らしくお笑いの要素を発揮する広告制作を心がけていました。エイチームの人たちとの相性も良く、インパクトのある広告を一緒につくっていく感覚を持ちながら仕事をしていました。
サービス愛が膨らみエイチーム入社を決意
『引越し侍』の成長を目の当たりにする
正直に申し上げると、CMを担当するまで『引越し侍』のことは知りませんでした。当時は、世の中の認知度もそれほど高くなかったかもしれません。でも、試行錯誤を重ねてテレビやラジオのCMを展開していくうちに、どんどん知られるようになっていきました。
「サービスを使っているよ」と言っていただいたり、SNSで話題になったり等、盛り上がっていくのが実感できたんです。それがとても嬉しくて、もっとこんな仕事をしていきたいと考えるようになりました。当時はまだエイチームにとって社外の人間でしたが、サービスへの愛もどんどん大きくなっていきました。
真っ先に思い浮かんだエイチーム
そんな時期に、あるクリエイティブディレクターの記事を読んだんです。その方は「事業会社から広告会社に依頼をする際、クリエイティブの言語ではなく事業会社寄りの言語になって伝わりづらいことがある。自分は事業会社に属してその橋渡しをする役割、クリエイティブの言語に変換して伝える役割を担っている」といったことをおっしゃっていました。
読んだときに「なるほど、こういうやり方もあるんだな」と興味を持ちました。そして「自分だったらどの会社で同じ役割を担いたいか」と考えた時、エイチームが思い浮かんだんです。
食事の席で「入社したい」と直談判
エイチームの社員の方と食事をする機会がありました。その時に思い切って「エイチームで働くことに興味がある」と伝えたんです。とても驚かれました。そして「嬉しいんですけど本当にいいんですか?」とも言われました。
私がエイチーム以外にも他の会社のCMなどのマス広告を担当しており、それがエイチーム一本になることに問題がないかどうか気遣ってくれたんです。でも、私はエイチームに入社したら色々なことができるような気がして、既にわくわくしていたので「はい、ぜひお願いします」と返しました。その後、私のことを会社に話していただき、面接等を経て、無事エイチームに入社することができました。
ブランドコミュニケーション部と自分のミッション
サービスを世の中に伝えてブランドを資産にする
エイチームライフデザインのブランドコミュニケーション部は、CMなどのマス広告に限らず、エイチームが展開するサービスを世の中に伝え、広げるための戦略を考え、実施していく部署です。様々な人が集まり、それぞれが自身の専門性を発揮して、サービスがブランドとして資産になるよう取り組んでいます。
例えば、数値を見ながら施策を講じる人もいれば、PR戦略を考える人、あるいはSNSなどのコミュニティマーケティングに携わる人など、それぞれの分野でクリエイティブの観点を持ちながらブランドづくりを推進しています。
ブランドづくりを通して事業を成長させる
部署の中での私の役割は、CM等のマス広告の企画・クリエイティブディレクションといったクリエイティブ戦略の他、WEBなどを活用したPR施策を行うことです。中でも、制作物のクオリティを高めること、インパクトのあるアウトプットで自社サービスを人々に知ってもらうこと、覚えてもらうことが自身の大きな役割だと考えています。
また、社内に対してブランドづくりや資産としてのブランドの大切さを伝えていくことも役割の一つだと思っています。事業の成長には数値目標の達成が欠かせませんが、私が担うべきは、数字の面ではなくブランドづくりで事業成長を支えていくことだと自覚しています。
「二代目よやきゅん♡」のデジタル写真集はこうして生まれた
「二代目よやきゅん♡」を“シンカ”させる
「二代目よやきゅん♡」が登場する『引越し侍』のテレビCMを1年間展開したところで、2年目も「二代目よやきゅん♡」を起用しようという話になりました。その時に、話題性のみならず、検索数やコンバージョンに至るまで、1年目と比較して全てにおいてパワーダウンすると思いました。でも、1年目と同じくらいの成果を出そうとみんなで話したんです。
私が考えたのは「二代目よやきゅん♡」を“シンカ”させること。アイドルとして“進化”させ、“深化”もさせる。そしてアイドルとしての“真価”もより発揮できる存在にする。そう考えたんです。
やっぱりアイドルなら写真集だろう
アイドルとして“シンカ”するためには、ファンにもっと喜んでもらうことが大切だと考えました。では、アイドルが何をすればファンの人たちは喜ぶだろう・・・と考えてたくさんアイデアを出したのですが、最終的に「やっぱりアイドルなら写真集だろう」と。きっと、みんな待っているだろう、と。でも、「二代目よやきゅん♡」は有名アイドルではありません。
何か違和感や異物感があるようなものにしないと注目されないと思いました。そこで考えたのは、引越し資材と一緒に写っている写真集。敢えて大きい段ボールを前面に出して「二代目よやきゅん♡」の体を微妙に隠したりして、気になる仕掛けを施しました。また、引越しに関するワードを使ったセリフも入れて面白がってもらえるよう心がけました。
制作する上でこだわったのは、世の中にある写真集と同じクオリティにすること。写真集としてクオリティが高くないと異物感が生まれないと考えました。
アイドルファンはアイドルをツッコまない
写真集を制作するにあたり、一つ懸念点がありました。モチーフがグラビア写真集なので、会社としてOKかどうか気がかりだったんです。でも、クリエイティブ戦略や狙いをちゃんと伝えたら納得してもらうことができました。
今回、写真集をリリースして学んだことがあります。私の持論として「ツッコミはSNSで拡散する」というものがあり、この写真集もそれを狙ったんです。
でも、誰もツッコミを入れない・・・
よくよく考えて気づきました。
アイドルのファンは、アイドルをツッコまないと。全てを受け入れるのだと。
そこは発見でもあり反省点でもあります。しかし、ツッコミはなかったものの、2年目のテレビCMも目指していたKPIに近づけることができました。
これからのブランドづくりにおいて必要なこと
一番大事なのはアイデア
資産としてのブランドをつくりあげること。それを自身の価値として発揮しないといけないと思っています。「二代目よやきゅん♡」は資産になっていると思います。社内でも愛してくれている人が多い。今後も、そういったものをどんどんつくっていきたいです。
ただ、何でもお金をかければいいわけではないとも思っています。一番大事なのはアイデア。お金をかけなくても、良いアイデアがあれば良いアウトプットができることを証明していきたい。私個人はもちろん、ブランドコミュニケーション部としてそれを実践していきたいです。
ブランド資産は売上や利益を生む
会社にとって売上や利益はとても重要です。それがないと経営が成り立ちませんので。そこは当たり前の話なのですが、売上を維持する、増やしていくためには資産も必要だと思います。ブランドは会社にとっての資産。お客さまにずっと使ってもらえる、必要だなと思ってもらえる、ふと思い出してもらうために必要なものです。
『引越し侍』のCMを例にして言うと「あの歌、耳にこびりついているな、引越しするなら引越し侍って歌っていたな」と思い浮かべてもらうこと。そして「使ってみよう」と行動につなげてもらえること。それが実現できる資産を生み出していくことが大事だと思います。
そして、愛も大事
どんなサービスであれ、世の中のためにならないと意味がありません。そして、会社は愛され続けないといけません。愛されるためには、サービスによって何を実現するのか、どうしたら良かったと思ってもらえるのか、それを考えることが大切だと思います。
また、エイチームの社員が自社のサービスへ愛を持つことも大事です。私たちブランドコミュニケーション部は、社外だけではなく、社内からも愛されるようなブランドづくりを行う必要があると考えています。
ずっと愛され続けること。
それは、エイチームの経営理念である「今から100年続く会社にすること」にもつながることだと思います。
今後の目標と仕事におけるポリシー
10年後も覚えているものをつくる
エイチームのサービスがもっと世の中に広まる、もっと知ってもらえるような仕事をしていきたいです。そのために「10年後も覚えているもの」をつくろうとしています。
きっと10年後も「よやきゅん♡」を覚えてくれている人はいると思います。そういうものを、どんどん生み出していきたい。
でも、私一人では無理です。チームのみんなでそれを実現していきたいです。また、エイチームのサービスを目立たせたいとも思っています。もっと目立たせて、もっと知ってもらいたいです。個人的に、知ってもらっていることは信頼につながると考えています。まだ入社して間もないですが、できるだけ早い段階で、その礎を築きたいと思っています。
面白さを追求、研究していきたい
目立つことは、自分が仕事をする上でのポリシーでもあります。自分自身が目立つのではなく、会社やサービスを目立たせることを常に意識しています。どうやったら目立つのか。世の中が驚くのか。笑ってもらえるのか。いいね!と思ってもらえるのか。常にそれを意識しながら、インパクトがあるものをつくることを心がけています。
私はずっとお笑いに情熱を注いできました。それは自分の武器にもなっており、これまでのキャリアで、皆さんに笑ってもらって、笑うことで覚えてもらって、好きになってもらえるようなアウトプットを実践してきました。
それを継続していくためには、お笑いも含めて世の中にある面白いものをもっともっと勉強しないといけない。世の中に面白いものはたくさんあります。いろんなジャンルが面白いもので溢れています。自分のアウトプットが、数ある面白いコンテンツに負けてはいけないと思っています。引き続き、お笑いを追求し、研究することを徹底的にやり続けて、面白くて目立つものをどんどん生み出していきたいです。